多くの人にとって引越しは人生の転機ともなる一大イベントの1つですが、人生初心者の幼い子どもたちにとってはとりわけショックが大きく、世界がひっくり返るような出来事です。
我が家は呪われてるのかと思うほどたくさん引越しをしていて、娘は生後2か月を待たずしてユーラシア大陸を横断。生後3年間で3か国を移動、現在4件目の家に住むという落ち着かない幼少期を絶賛継続しています。
我が家の場合は単身赴任や転居中止という選択肢はなかったので、せめて子どもに無駄なトラウマを作らないようにと子連れ引越しのヒントになるような情報をあちこちで調べました。
こちらの記事では、私の腐るほどの引越し経験から、子連れ引越しのヒントをご紹介したいと思います。子どものためと銘打っていますが、うまく大人にも応用できます。国内でも国外でも、引越しが近い方はご参考にしてみてください!
心の準備を早めにさせる
子どもをどこかに預けて準備をしたり、子どもに内緒で秘密裏に引越しを進めたりするのはNG。子どもにも引越しという変化の時期を過ごさせ、それを通して湧く感情を経験させることはとても大切です。突然「明日から家変わるから」と言われたら誰だって驚きます。
できるだけ早く引越しの話しをする
子どもは敏感なので、大人が隠してもすぐに「何かおかしいゾ」と気づきます。引越しが決まったら、早くから子どもにも話しはじめ、だんだんと心の準備ができるようにします。悲しい期間は少ない方がいいと思って直前に発表すると、子どもはショックが大きすぎて感情の消化不良を起こしてしまいます。
我が家では、これから引っ越すことやその理由などを娘に何度も話しました。まだ小さいし目は明後日の方向で聞いていましたが、だんだん寂しい表情をするようになっていました。そんな姿を見るのは辛いけれど、子どもが悲しいという感情を徐々に味わえる環境を作ることはとっても大切です。
引越しのタイミングは大切
できれば、幼稚園や学校の新学期(新年度)に合わせて引っ越すのが理想的です。また、幼稚園や学校に通い始めた直後や、弟や妹の誕生直後に引越しをするのは、子どもにとって大変なストレス負荷がかかります。他のイベントと重なるのは極力避けるように計画します。
新しい家に事前に連れて行く
親近感を沸かせるために、住む前に新居を見に行っておくと効果的です。我が家は事前に娘を連れて一緒に色々な家を見ました。家が決まっている場合は、どれが自分の部屋になるのかなど、具体的なイメージを持たせます。転居先が遠い場合は、数日かけて町の様子も見られるとベター。1か月後の引越しでは「また戻ってきた」感が湧くので、大人にも子どもにもいいです。
子どもも引越しに参加する
幼かろうと、ひと手間かかろうと、子どもにも積極的に「引越し」というイベントに参加してもらいます。
荷造りも一緒に
時間は余分にかかりますが、子ども自身にも自分のおもちゃや持ち物などをまとめさせたり、箱に入れさせたりすると、引越しと言うイベントに参加している感が高まります。一方的な受動者ではなくなるので、被害者意識がちょっぴり薄れます。
新居に到着してからの荷物の整理もぜひ一緒に。能動的に参加する家族のイベントとして受け止められ、家族の絆も強まります。
お部屋作りに参加させる
家探しで子どもの意見を求めたり、どういう風に自分の部屋に家具を置くかなど、子どもの意向もたくさん聞きます。
我が家の場合は、近所のIKEAを活用して子どもと一緒に家具も選びました。引越し前に子どもを連れて下見をし、引越し後に子どもを連れて家具を買い、子どもの提案した配置にしたら、なんとも可愛い子ども部屋になりました。
最優先はなんでも子ども
子どものものはなるべく捨てない
心機一転の新生活!と、あまり使わないおもちゃなどは捨てたくなりますが、子どもが引越し前に使っているものはできるだけ新居に持って行きます。ホント、荷物になるけれど!
本やプレイマットなど以前の生活の片鱗を新居でも見つけられると大きな安心感につながり、精神的な支えになります。引越しによる喪失感のカバーといったところです。
子ども部屋を一番先に仕上げる
引越したら、最初に取りかかって快適な状態にしたいのが子ども部屋。とにもかくにも、子どもが生活する空間(子ども部屋やリビングの一角など)をすぐに片付けます。子どもの生活の一部であったものをすぐに見つけられ、子どもが今までの習慣を続けられるようにするためです。
どの部屋も片づけはなるべく早く
大人も同様、住み心地の良さは引越しのショックを和らげるので、引越しの片づけはできるだけ早く。すぐに使わないものはガレージや物置に取りあえず入れておいて、生活空間には置かないのも一つの手です。
子どものリズムをキープ
引越しはやること満載でついつい食事の時間が遅れたり、夜遅くまで片付けに没頭してしまいがちです。でも、子どもの持っていた最低限の習慣を崩さないよう、前の家での1日の流れをなるべく保つように気を付けます。お風呂、ご飯、お散歩、寝るまでの流れ、放課後の過ごし方など、「今まで通り」という環境を1つでも増やしてあげることで、子どものストレスを減らすことができます。
とは言え、不安やストレスから一人で眠れなくなってしまうこともあります。そんな時は、少しずつ子どもがペースを取り戻せるようにゆったり構えることも必要です。たくさんの変化の時期には子どもの安心感を第一に、時として奴隷になる覚悟で親は臨機応変に見守ってあげます。
笑顔で過ごそう
大人の不安は子どもにビリビリ伝染します。引越しによって子どもはあらゆることで安心したい、安心できる言葉を聞きたいはずです。引越し先でも親が笑顔で過ごせば、子どももリラックスしやすくなります。
顔は笑って心で泣いて
大人もしんどいことがいっぱいですが、顔は笑って心で泣いてをモットーに、ストレスや不安は子どもの前で見せないのが理想です。と知りながらも、私はまだまだ青いのでそんな姿もかなり見せてしまいました。そんな場合は、落ち着いてから子どもにきちんと説明して、不安にさせてしまったことを謝ります。
自分が暴発しない範囲で、子どもの前では「一緒にいれば安心」なパパやママでいましょう。
ご近所づきあいを避けない
隣人への挨拶は自分から。ついつい億劫になりがちですが、ディープな交流をする必要はありません。近所に挨拶する人がいるだけで孤独感がぐっと減り、子どもにとっても「知っている人」が増えます。子どもと散歩をしたり、ガーデニングなど外での作業をしたりして、地域との接触する機会を広げるのも手です。
前からのお友だちと交流する
前から親交のある人を新居に招いたり、お友だちと連絡を取ったりすることも必要です。転居して独りぼっちになったと感じる環境は、引越しのトラウマをこじらせることになります。
私の場合は娘のお友だちに転勤家庭も多いので、お母さんたちと子どもたちの写真を送りあったり、帰国や旅行のタイミングが会う時に遊ぶ約束をしたりしています。また、家族ぐるみの友だちを家に泊めたときは、娘が大いに喜びました。
子どもをよく見守り心を代弁する
そして、最も大切なのはコレです。
子どもをよく観察して、子どもが嫌なことに気づいてあげる。これは親が誰よりも一番上手にできること。できるかぎり時間をとって、いつも以上に子どもの話しに耳を傾けましょう。
特に子どものことばが十分でない場合は、根気よく子どもの気持ちを汲むように努め、親が子どもの気持ちを絵やことばにして代弁してあげます。大人でも子どもでも自分の心のモヤモヤが表現できると、わずかでも心が軽くなります。
新しい環境は慣れるまでがしんどいですが、知らなかった世界を見られるすばらしい機会でもあります。子どもが新しい世界でも安心して「はじめの一歩」を踏み出せるよう、親の愛情でがっちり包んであげたいですね!