この記事では、ちょっと面白いベルギーの空きビン回収システムをご紹介しています。
ベルギーはヨーロッパでも指折りのビール生産国。
フライドポテトの屋台だろうが、幼稚園の行事だろうが、どこでもかなり気軽にビールが飲まれています。
消費されているビールはガラス瓶入りのものが多く、自然とリサイクルも活発。
ブリュッセルのスーパーで出会った、おもしろいビール瓶回収システムについて、みなさんとシェアしたいと思います。
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ベルギービールの種類:甘いフルーツから靴下の香りまで
安い瓶ビール
ベルギーのいいところの1つは、おいしいビールが安く売られていること。
おうち飲み、カフェ飲み、ピクニック飲みなどなど、いたるところでビールが飲まれている大きな理由の1つは値段の安さにあります。
私は漠然と「普段飲みのビールは缶入り」というイメージを持っていましたが、嬉しいことにベルギーでは瓶ビールがお手頃価格で幅を利かせています。
スーパーマーケットならば、日本でもおなじみのヒューガルデン( 250ml )などは1本当たり80円程度(通常価格)。もっと手頃なビールになると、ミネラルウォーターより安く売られているものさえあります。
値段の差がないならば重くてもガラス容器!という人は多いようで、おのずと瓶ビールを買う機会が増えます。また、ベルギーには伝統的な製法のビールが多いこともあって、デリケートな味わいのために瓶入りでしか売っていない銘柄もあまた。
必然的に瓶ビールの消費は大きく、ものすごい数の空瓶が発生していることになります。
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ヒューガルデン Hoegaarden |ベルギービールのテイスティング
この記事では、ベルギーの白ビール「ヒュー ...
追加料金 vidange の正体
さて、ベルギーに来て間もないころ、安いビールに浮かれながら買い物をして驚いたことがあります。
レシートを見ると、「ビール」の項目のあとに「 vidange (ビダンジュ)」という買った覚えのないアイテムが載っているではありませんか。
家に帰って、困ったときの仏和大辞典を調べてみると、
- (汚水などの)くみ出し
- 排水
- 廃液
- 屎尿
などとあり、「とんでもないものを買わされてしまった!」と戦慄が走ります……。
辞書に載っている意味を次々に読んでいくと、最後に
〖ベルギー〗保証金支払済みの瓶;《複数で》空瓶
『小学館ロベール仏和大辞典』(1988)より抜粋
とありました。ホッ。単純にビール瓶代が計上されていたんですね。
ということで、ベルギーではスーパーで瓶入りのビールを買うと、空き瓶の保証金を自動的に払うシステムになっています。
便利な vidanges 回収体系
この瓶代 vidange 。なぜビールを買うのに保証金を払わねばならないかというと、リサイクルが目的。空瓶回収を促進するためにある制度です。
飲み終わった後の瓶は、回収場所である近所の小売店に持ち込みます。ブリュッセルにある中型以上のスーパーには、たいてい空瓶回収マシンが設置されています。
ここにビールやミネラルウォーターのガラス瓶を入れます(大人のケース買いならば、空瓶を入れたケースごと)。
すべて瓶を投入し終わってボタンを押すと、回収分の瓶代を計上したクーポンが発行され、お買い物のときに値引きという形で保証金が還元される、という仕組みになっています。
瓶を持ち込む手間はありますが、きちんとしたリサイクルができのならば小さな不便なのではないでしょうか?
ベルギーで瓶ビールを買ったら、レシートに vidange の文字があっても「汚物」を押し売りされたわけではないので驚かず、ぜひリサイクルをしてみてください♪