前の記事でご紹介した「これぞイタリア!」なお話しの続編です。イタリアの特徴全10この残りは、イタリア的な風景や街並みをテーマにした5つです。
イタリア的な現象をテーマにした「前編」を見逃した方は、どうぞこちらのリンクからご覧ください♪
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「あぁ、イタリア!」な5つの現象:イタリアの特徴10こ【前編】
住んでいた期間の長さからも、自分の人生に ...
神々の住む絶景
日本の豊かな自然は心の底から美しいと思いますが、イタリアの自然を前にして息をのむこともたくさんあります。
イタリアを旅すると、自分は生粋の日本育ちなのにも関わらず、どこか懐かしいような、魂がゆさぶられるような風景をあちこちで目にします。
神さまが住んでいる場所とでも言うのでしょうか。こういう風景を目の当たりにすると頭や心の雑音が消えて、今、その場に吸い込まれます。
リフォーム満載の建築物
イタリアには500年以上も前の建物がたくさん残っていて、現在も住居やオフィスとしてごく普通に使われている町も少なくありません。古い建築物の外壁には、往年のリフォームの歴史が刻み込まれています。
また、そのほかにも驚くような補修を施されている建造物もあり、中には度胸試しのような場所もあります。
ものすごい絶壁にあるテラス。ズームすると……
このカフェでお茶をしなくてよかったと、下に降りてきてから血の気が引きました。いろんな意味で、夏ならではの納涼テラス。
重厚感あふれる教会
イタリアは、半島にバチカンがあるカトリックの国。教会は星の数ほどあります。個人的には、他国に比べてイタリアの教会は「重い」イメージがあります。
圧倒的な重厚感を覚えるのは、信仰の深さや歴史の重みに加えて、2つのポイントがあるからだと思っています。
1つは、教会内に彫ってある文字がラテン語であること。ラテン語はイタリア語やフランス語などの先祖にあたる古い言語で、現在は母語としてしゃべる人はいません。ラテン語の刻まれている教会内では、まるで遠い過去からの声が聞こえてくるようです。
と娘に尋ねられて、思わずことばに詰まりました。
なんて正直に答えたら、声が反響しまくる教会で4歳児が大泣きします。
と、あろうことか教会内で嘘をついてしまいました。次回行ったら懺悔します。
そして「重さ」のもう1つの理由は、たくさんの教会に保存されている聖遺物の存在。イタリアの多くの教会では、聖人の遺体やその一部が崇拝の対象として祀られています。
人形型の飾り箱に収められていたり、
キラキラの金細工に輝いていたり、
祭壇の下で安らかに眠っていたり。
夜に来たら泣いちゃいます。
*和訳はぱんたによるもの。
ギャップのある店内
ビルに入っている商店や施設は外観が一見「フツウ」でも、店内に驚くような歴史の名残をとどめていることがあります。
何百年も前の建物がイタリアには腐るほどあり、そして腐ることなく現在の生活に活かされています。大学、図書館、郵便局といった公共の施設だけでなく、ごく庶民的な商店もそうした建築物の中に店を構え、ごく普通の商店に入るなり、驚くような歴史の一部が顔をのぞかせていたりします。
大手チェーンの本屋さん。
家族経営の電化製品店。
大切に保存された先人の文化と、そこに融合する現代の生活。途方もない努力と不便さの裏に、自国の文化に対する大きな誇りがあることは想像に難くありません。
バリアフリー・フリー
イタリアの町を歩くと、ハイヒールは凶器であったこと、ベビーカーは大きな荷物であったことを痛感します。バリアフリーが無い状態なので、名付けてバリアフリー・フリー。
大きな石をはめ込んだゴツゴツした石畳、突如小道に現れる階段、雨が降ったら滑って歩けないようなアグレッシブな急坂などなど、特に小さな町には悠久の歴史に紡がれたトラップがいっぱいです。
美術館などの施設にバリアフリーの設備がある一方、歴史的建造物であるがために改築や増築が法的に難しく、バリアフリーなんて関係ないような場所もいっぱいあります。
電車も地方のローカル線で使われているような古い車両だったりすると、ベビーカーなんて載せられないくらい細くて急な階段を昇降しないといけません。
とはいえ、ベビーカーで途方に暮れた時は、たいていワイワイと人が寄ってきてお祭りみたいな騒ぎで助けてもらえます。ハードでカバーできないところはソフトでカバー。イタリア人の柔軟さと懐の深さもセットになっています。
以上、「イタリアの特徴10こ【後編】」でした。
不便さもあるけれど、美しく悠久の歴史が今も息づくイタリアはとても魅力的な国。訪れた際は、ぜひフォトジェニックなイタリアの顔をたくさん見つけてみてください♪