夏休みは遠出をしたり、旅行をしたり、お出かけの機会が増えますよね。そんな時期、小さな子供を連れた旅行についての疑問ってムクムク膨らみませんか?
- 旅行に行くか?行かないか?
- 旅は子供のためになるのか?
- 旅先はどこにするのか?
- 何歳から旅行すべきか?
- トータルで見て子連れ旅行に利点はあるのか?
日本でも海外でも、小さな子供を旅行に連れていくことへの意見はさまざま。子連れ旅行には準備がいろいろと必要なこともあって、私は旅行の話しが出るたびに「答え」を探しては考えをまとめることができないまま、旅行に行ったり行かなかったりしていました。
そして、この夏に4歳になった我が子と行った旅を通して、
「子連れ旅行ってやっぱりいい!」
という確信をようやく持つにいたりました。そこで、子連れ旅行の大変さ(デメリット)を考慮しつつ、それでも子供と旅行したい具体的な理由や大きなメリットをまとめたいと思います。
同じように子連れの旅にひっかかりがあったり、旅に出るか出まいか悩んでいる方がいたら、ぜひ1つの意見として参考になさってみてください。
子連れ旅行のデメリット:旅の準備と制限
旅に限らず、赤ちゃんや幼い子供を連れての外出って大変ですよね。子供と旅行する際に苦労や制限があるのは目を背けられない事実です。私は、そのめんどうさから過去に何度か旅行することを躊躇したり、中止にしたことがあります。


幼い子連れの旅は、おむつからベビーカーまで現地で使うあらゆる子供グッズの用意をしたり、ホテルや移動中の子供の過ごし方を考えたり、旅先で子供と観てまわれる場所を選択したりと、子供の年齢によるとは言え、大人だけの旅に比べて準備も荷物も倍以上です。
また、現地では、ママやパパでなかったころに比べて行動の自由度はどうしても低くなります。星付きレストランでのディナー、夜の観劇、本気の登山、上級者コースでのスノーボードなど、子供とは一緒に訪れることができない場所が増えるので、どうしたって旅行中にできることは紐付きになります。
でも、でも、でも、です。もし、ちょっぴりでも心と体とお財布に余裕があったら、旅してみるといいと思うんです。
家にいても旅先でもいずれにしろ子育てはしなくちゃいけないので、親が「もう限界!」というところまで追い詰められてはいずに余力が残っていたら、旅に出て景色を変えてみると親子ともにすごくいいリフレッシュになるはずです。そして、旅は単なるリフレッシュになるだけではなく、以下のようにすばらしい経験をさせてくれます。
新しい世界を子供に見せられる
子供と旅する理由って何でしょう?
世界の広さを子供に見せてあげたい
これが、私が子連れで旅行をする1番の理由です。子連れに限らず、旅行の醍醐味は自分の住む世界とは別の世界に身を置くこと。親となった今は、自分が未知の世界を見たいことはもちろん、子供にも世界が広いことを見せてあげたいと強く思っています。
標準語でしゃべる町、方言でしゃべる町、英語でしゃべる町、知らない外国語でしゃべる町。立体高速道路に車が走る町、土埃舞う道にロバも走る村、道なんてない砂漠。
世界は小さく大きい。自分の生きているフツウが他人の生きているフツウでないという現実を見せてあげることは、よその文化を認め、自分以外の他者を認める寛容な心を育む土壌になるはずです。偏見や差別のような小さな枠に縛られていない子供だからこそ、この世界の多様性を見せて、その素晴らしさ肌で知ってほしい。
旅はそんな機会を与えてくれます。
未知の世界を子供と一緒に冒険する
子供にとっては普段の生活でさえ毎日が発見の連続ですよね。でも、親がその発見1つひとつに立ち会えるかというと、仕事もあれば家事もあってなかなか難しいのが実際のところです。
旅に出ると、シッター・サービスなどに預けたりしない限りは子供と常時一緒に過ごせます。そして、ルーティーンの日常から離れた親も、旅先という未知の場所で子供のように発見だらけの環境に身を置くというわけです。
吸い込まれるような海の青さに感動したり、不思議な食べ物に頬っぺたを落っことしたり、温泉の気持ちよさに溶けてみたり……。
誰かと一緒に新しい発見をする=感動的な経験を共有できるのは、とてもすてきなこと。それが愛しい我が子や大切な家族とならば、なおさらです。
旅は、家族が非日常の経験を共有できるという、なんとも幸せな心の宝物をプレゼントしてくれます。
家族がお互いをよりよく知ることができる
仕事も家事もほぼお預けとなる旅行中は、家族と過ごす時間がたっぷりあります。家族は毎日顔を合わせているのだから当然よく知っていると思いがちですが、意外と知らない面も多いもの。また、ところ変わってしゃべる言葉やコミュニケーション方法も変わってくると、当然今までは知らなかった顔も現れます。
例えば、4歳児を美術館で3時間以上も歩かせ、お昼をとっくに過ぎていたので「やっとランチよ♪」と連れて行ったピザ屋が閉まっていて、仕方がないからホテルまでご飯を我慢してちょうだいなと子供にお願いして、さらに小さな足でテクテクと炎天下を歩かせた挙句の果てにママが道を間違えた時のこと。私が謝るたびに娘から帰ってきた返事は、

子供がずいぶんと忍耐強く大らかだったことを知って驚き、その優しさにいたく感動し、娘への愛がますます深まりました。
そして、そんな娘も自分の知らない外国語を話すママの姿や、高速道路では人格が豹変するパパの姿に目を見張り、自分の親の初めて見る顔をジーっと観察していました。


愛する人に自分のことをよく知ってほしいのは乙女だけの特権ではありません。
旅には、子供や家族の未知の顔を発見できるチャンスがゴロゴロ転がっています。家族の絆がより深まるチャンスもいっぱいです。
まとめ
子供を旅行に連れていく具体的な理由は人それぞれです。
- 思い出の場所を見せたい
- 外国や外国語に興味を持たせたい
- 自分が旅行をしたい
などなど、それによって目指すメリットも変わってくると思います。この記事では、そうした個々の目的を超えて、旅行を通して親が子供にプレゼントできる「経験」を親子の旅の本質的なメリットとしました。
未知の世界を肌で感じ、たくさんの発見を共有し、お互いをよりよく知る。
つまり、子供は世界が広いことを知ると同時に、その世界で愛する家族と一緒に過ごす喜びを知り、家族の信頼と絆を深めることができる。こうした経験と思い出は子供の心で宝物のように残り、これからの長い人生の糧となってくれると信じています。
おしまい