ブリュッセルの公立幼稚園は無料だけれど……
ベルギーの公立幼稚園は、無料で通園できるとされています。私立の幼稚園のように入園金や授業料は発生しません。
しかし、実際の幼稚園生活にはさまざまな諸費用(実費)が発生し、各家庭がその一部を負担します。
こちらでは、娘の通うブリュッセルの公立幼稚園の諸費用を一例としてご紹介します。
諸費用のリスト
- お昼(12:00~13:15)の保育費(必須)
- 給食費(オプション)
- 幼稚園時間外の託児所ギャルドリー利用費(オプション)
- スープ代(必須)
- 特別活動の積立金(必須)
- 修学旅行費(学年により必須)
- プール代(学年により必須)
諸費用の内訳
お昼は先生も休憩
お昼はクラスの担任の先生も休憩時間となり、子どもたちは学校が提携している託児所ギャルドリーのスタッフと一緒にごはんを食べます。そのため、自動的に別途保育費が発生します。ただし、お昼ごはんを家に帰って食べる場合にはこの費用は発生しません(後述参照)。
お昼の保育費は地域自治体から補助が出ているため、各家庭の負担は一部。娘の場合は1か月あたり17€です。
お昼ごはんは自由選択
お昼ごはんは、
- 給食
- お弁当
- 家に帰って食べる
という3つの選択肢があります。
どのタイプするかは新年度の始まりに選び、1年間変更することはできません。
学校にもよりますが、給食には特別食の用意がないので、宗教やアレルギーなどの理由で特定のものを食べられない子供はお弁当を持参します。また、水曜日は幼稚園が午前中で終わるので、給食の場合は週に4日か5日のどちらかを選びます。
娘の幼稚園では、給食の費用は1食3€ちょっと。週4日頼むと1か月あたり50€程度になります。お弁当や家で食べる場合はもちろん無料です。
共働き家庭の強い味方ギャルドリー
幼稚園の始まる前後に子どもを預けられる託児サービス、ギャルドリー( Garderies )があります。場所は、幼稚園のある学校敷地内。時間は、幼稚園の前後となる朝7:00~8:30と、午後15:20~18:30です。
ミミの幼稚園では、2つの費用が設定されています。
- 4日以内の利用の場合は1日あたり2€
- 5日以上の場合は1か月あたり8€
コミューン(地方自治体)からの補助がでているので、びっくりするほど安いです。
おやつはスープ
幼稚園のプロジェクトで、子どもの栄養と水分補給を目的として、幼稚園の年少~小学校2年生までの児童に対して午前中にスープを提供しています。
このプロジェクトには全生徒が参加。
スープ代は1日0.45€なので、1か月あたり9€程度。給食を頼んでいる場合は、給食費に含まれているので別途支払う必要はありません。
積み立て金
課外活動や特別遠足などのために毎月積み立てをします。学年末に調整が行われ、余った費用は各家庭に払い戻されます。
娘の幼稚園では、1か月15€を積み立てます。
修学旅行費
幼稚園の年長が対象。娘は年中なので無しです。
プール費用
年長から地域の公立プールへ隔週で通います。参加費用は1回3€なので、1か月で6€。現在の学年では費用はかかりません。
ブリュッセルの幼稚園の1か月あたりの合計諸費用
以上の項目を合わせると、娘がブリュッセルの現地公立幼稚園に支払っている1カ月当たりの費用は、
12:00~13:15の保育費: 17€
給食費(週4日):52€
幼稚園時間外の託児所利用費:0€
スープ代: 0€
特別活動の積立金: 15€
修学旅行費: 0€
プール代: 0€
________________
合計: 84€
となります。
これに8€をプラスすると実質保育園に通わせているのと同じ時間子どもを預けることになり、1か月90€ちょっとの保育費(週5日の場合は1か月で100€程度)となります。もちろん、給食費が大きな割合を占めているので、お弁当持参にするともっと安くなります。
ロンドンのイメージが普及していて「ヨーロッパの保育費は高い!」と言われることもありますが、ベルギーの幼稚園費用は時間対効果のトータルで見ると良質安価。特に、働くママには嬉しいシステムが整っています。
とは言え、すべての子供へのより平等な教育機会を求めて、一切の費用を家庭が負担しないよう「実質的な無料化」をベルギー政府に請願する活動があるのも事実。子供たちのよりよい未来のために、私たち親ができることはたくさんありそうです。