ベルギーの食と聞いて何を思い浮かべますか?
ワッフル、ビール、チョコレート……
なんだか「お上品」なイメージがあるかもしれませんが、実は日本ではあまり知られていないベルギーの名物料理があります。
それは、フライドポテト。通称フリッツ。
とっても庶民的なメニューですが、実はベルギーの国民食ともいえるようなソウルフード。これなしにはベルギーグルメを語れません。
そこで、気取らないべルギーの食フリッツについて、みなさんとおいしくシェアしたいと思います。
フリッツ
ベルギーは、欧州でも世界でも1、2を争うほどのフライドポテト大国。首都ブリュッセルでは、フランス語で「フリッツ」と呼ばれて愛されています。
「フリッツ」という名前の由来は、「揚げたジャガイモ」を意味する pommes de terre frites の省略です。
色気も何もない通称ですが、その味を知ったが最後、「フリッツ」と聞けば口の中に唾液がほとばしる魔法のことばです。
ベルギーでフリッツを食べる場所はさまざま。シーンを選ばない万能食です。
- 家庭でいただくサイドディッシュ
- レストランでいただくサイドディッシュ
- 給食や学食の人気メニュー
- 小腹が空いたときにいただくスナック
オトナも子供も、いつでもどこでも食べたい人気メニューです。
フライドポテトの発祥地論争
ベルギー人の誇りともいうべきフリッツ。「発祥はベルギー!」と主張する人もいますが、実際はいつ、どこで誕生したのかハッキリしていません。
研究者たちによれば、最古とされる文献の記述には正確性が欠けていたり(ジャガイモがヨーロッパに持ち込まれた年代が史実と合わない)、フライドポテトの定義自体が難しかったり(昔と現在のフライドポテトは同じではない)と、発祥地をはっきり特定することはできません。*
いまだ謎の残るフリッツ誕生秘話。歴史のロマンに思いをめぐらせながら、とにかく美味しくいただきましょう!
*参照ソース:『 La véritable histoire de la pomme de terre frite 』(リエージュ大学のサイトより、2017年11月22日参照)
フライドポテトの屋台
さて、フリッツはベルギーのいたるところでお目にかかる食べもの。きちんとテーブルについて食事の一品としていただくことも多いけれど、何といってもスナックとしていただくのがベルギーならではのスタイルです。
ブリュッセルの町には、フライドポテトを売る屋台(スタンド)やお店が林立しています。屋台は、
- フリットリー(フランス語)
- フリットコット(オランダ語)
と呼ばれていて、おいしいお店の前には常に行列ができています。テイクアウトが基本ですが、店内にテーブルを置いてあるところもあり、座って食べられるお店もあります。
屋台のフリッツメニュー
スタンドで買うフリッツは、こんな感じでサーブされます。
お値段は、ブリュッセル市内で250円くらいからと安心価格。一方、ケチャップなどのソースは別料金になっていて、1種類50~100円くらいと割高設定です。(いずれの参考価格も、2017年11月22日現在ブリュッセル市内でのもの)
とはいえ、やっぱりフリッツにソースは欠かせません。ケチャップではなく、マヨネーズでいただくのがベルギーの王道。そして、マヨネーズ以外も、驚くほどたくさんのソースが用意されています。
- マヨネーズ
- ケチャップ
- タルタル
- カレー
と、定番っぽいソースから、
- リッチ
- メガ
- アンダルーズ
- ブラジル
- サムライ**
- ピリピリ
と、まったく味の想像がつかないものまでバリエーション豊か。
**サムライは、マヨネーズ、ケチャップ、マスタード、ハリッサを混ぜたソースです。
その他の屋台メニュー
フライドポテトのスタンドでは、フリット以外にもB級グルメが楽しめます。
- ソーセージ(フリカデル)
- コロッケ(クロケット)
- タコス
- 肉や魚の串焼き
- ケバブ
- サンドイッチ
などなど。
その中でも、フリッツがらみで一番パンチの効いたメニューが、こちら。
パンの中にまさかのフライドポテト。ザ・炭水化物パラダイス。
糖質ダイエットの真逆をいく勇猛な姿は、神々しいまでの美しさをたたえています。
この破壊力抜群のベルギーフードの名前は、Mitraillette(ミトライエット)。訳して、機関銃です。
そんな意気込みを感じる頼もしいサンドイッチです。
ミトライエットのおともには、庶民派ビールのジュピラーかマウスを頼んで、しっかり糖質プラスすることをお忘れなく。
まとめ
以上、ベルギーのフライドポテト文化についてご紹介しました。
ちょっと気取ったようなイメージの溢れているベルギーフードですが、実際はかなり骨太で男味なグルメも健在。
ベルギーにいらしたら、現地の生活に密着したおいしいフリットもぜひ召し上がってみてください。
おしまい