こんにちは、ぱんたです。
主人が出張から2時に帰ってくると思っていたら12時に帰ってくると言われて驚き、予定を変更したら結局2時に帰ってくることが判明しました。
私はフランス語の deux heures (2時)と、 douze heures (12時)がいまだに聞き分けられません。どっちも「ドゥーズー」にしか聞こえません。多分、来世までずっと分かりません。
今のご時世にまったく珍しくもありませんが、我が家はいわゆる国際結婚家庭です。いいところもいっぱいありますが、それをしのぐほど面倒なことや大変なこともいっぱいあります。
ということで、今回は後ろ向きに「国際結婚するとめんどうくさいこと」を列挙してみたいと思います。
Contents
船出から面倒くさい。「結婚式」
結婚式って人生の晴れ舞台って聞いていた気がしますが、私の場合は違ったみたいです。
そもそも結婚式は手配自体も面倒ですが、こちらは事前準備なので時間に余裕を持てば何とかなります。
問題は式の進行中です。無駄にラテン語を使うなら hic et nunc (今、ここ)が問題。
式や宴を通して新郎新婦がずーっと逐次通訳するのはやっぱりしんどいです。(え?そんなことしませんか?)
お嫁入りにあたって感動する時間もなく、「人生の第2章幕開け」というよりも、お笑いバラエティみたいでした。
式の記憶があんまりないんですが、写真があるってことは、やっぱり夢や妄想じゃないみたいです。
変えないほうが楽。「姓の変更」
姓を変えるって、日本人同士の結婚でも面倒ですよね。
国際結婚で相手の姓に変更する場合は、余計なもうひと手間がかかります。
外国語の姓に名前を変える場合、その姓をカタカナに読みにして申請します。そして、そのカタカナ表記は当事者が決めなければなりません。まさかの自己申告です。
例えば、変更後の姓が Baker さんなら、
- ベイカー
- ベーカー
- ベイカ
- ベーカ
あたりの候補で迷うんじゃないでしょうか。
自分の届け出た「読み」がもとになって戸籍が変わるので、テキトーに発明するわけにはいきません。
そして、名前によっては変更後も十字架を背負います。
- グーチャンネジャード( Ghoochannejhad )
- ブワシュチコフスキ( Błaszczykowski )
のように、ちょっと珍しくて長い姓だと窓口ではちゃんと呼んでもらえないし、病院の問診票にも名前が入り切りません。診察券からは名前がはみ出ます。
もれなく、ステキなニックネームがもらえます。
胃袋をどうつかむ?「ごはんの違い」
夫婦の食生活満足度には、
- 個人の食意地レベル
- 母国の食文化の成熟度
- 母国の文化的、宗教的な制約
などが絡んでくるので、夫婦の出身国によって問題の深刻度がある程度予測できます。日本の食文化が洗練を極めているので、食に興味のない国の伴侶を持つと大変です。
我が家は夫婦そろって食いしんぼうなので文句は少ない方ですが、某国在住のお友だちの中には、
- ご主人が出張の日は和食♪
- 日本で相方を寿司屋につれて行ったら、我慢の涙を流しながら食べていた
など、苦労している方も多いです。
配偶者がビーガンとか、宗教上ハムがたべられないとか、肉でも野菜でも何でも食べたい私には想像するだけで恐怖……でも、そもそも自分の食生活ではお付き合いしてもらえないので結婚もありえませんね。
ことばは心。「言語の壁」
ひねりも何にもありませんが、外国語能力の問題です。
いい大人にもなって、冒頭のように12時か2時かを間違えるようなヘッポコなミスをしたりすることがあります。
どちらかが相手の母国語に堪能だとマイナーな問題かもしれませんが、お互いにとって異国の地で出会った夫婦の場合(例えば、ドイツ人と日本人がアメリカで出会って結婚)、事情はかなり複雑。ゆくゆく子どもが生まれたら、悩みがさらに増えます。
例)
結婚当初: 在米、夫婦の共通語は英語
↓
結婚後: ドイツ移住、夫婦の共通語は英語?ドイツ語?
↓
出産後: 在ドイツ、家族の共通語は英語?ドイツ語?日本語?
また、嘘みたいですけど、途中から夫婦の共通語を変えると、相手の人格も変わったように感じます。
A国の言語で会話していた頃
B国の言語で会話を開始
老いたら外国語を余すところなく忘れてしまいそうで、今からかなりのホラー&サスペンス。
謝ったら負け?「文化の尊重」
結婚する前から「文化の違い」について頭では分かっているものの、本能的には受け入れがたい行動があるものです。
例えば、
- 車に乗るととにかくアグレッシブになる文化(高速運転こそ男の美。ロバなんか蹴散らせっ!)
- 自分に非があっても「しかし……」とすぐに謝らない文化(謝ったら負け。相手の意見を認めるくらいなら論破しろっ!)
などなど。
でも、これも相手の文化。どちらが正しいを決めるかよりも、当事者がお互いに落しどころを見つけることが肝心です。
めでたし、めでたし。
どこまで祝うか?「頻繁な年中行事」
子どもが生まれると特に意識して母国の文化を教えようとするので、年がら年中何かを祝っている感じです。
夫婦とも外国人として第3国に住むと、さらに行事が増えてなんだか収集がつかなくなります。
年末
年始
子どもはホクホク、親の懐はますますカラカラ。
楽しいはずの「里帰り」
里帰りにまつわる面倒はいろいろあります。
貧乏旅なし
たいていは少なくとも夫婦どちらかの実家からかなり遠くに住んでいるので、飛行機代が馬鹿になりません。
国際線の飛行機は、子どもが2歳を超えると料金が発生(大人の70%!)。さらに費用がかさみます。
経済的に余裕のない時は、里帰りできる回数も減らざるをえません。世知辛い。
専属通訳
里帰り中、相方の通訳をするのはかなりの重労働です。
放牧しておくわけにはいかないし、テキトーに訳すとテキトーなのがばれるし、大きな子どもが1人増える感じです。
まとめ
以上の結論としてまったく説得力はありませんが、面倒なこと目白押しの国際結婚は面白いです。
正確に言い直せば、国際は関係なく「結婚」は面白いです。結婚相手の出身地がどこであっても、同じ国であっても、それまで夫婦がお互いに生きてきた文化はそれぞれ違うわけで、国際結婚は違いの振れ幅がちょっと大きいというだけのこと。
お互いに面倒だなーということを夫婦ですり合わせていくと、家庭に新しく面白い文化を咲かせられるような気がします。
と、大きくまとめてみましたが、とにもかくにも「ドゥーズー」と「ドゥーズー」の聞き分け法を見つけなければ……