ベルギーでは9月から新学期が始まり、ブリュッセルの公立幼稚園に通う我が子は年長クラスになりました。
先日、新学期初の保護者会があったのですが、そこで色々と驚いたことがありました。ところ変わればの面白いお話しとして、ベルギー幼稚園の保護者会で驚いたことをみなさんとシェアしたいと思います。
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驚きの保護者会
保護者会と聞いて、かなりそれなりにカッチリした説明会を想像していましたが、とても気軽で和気あいあい。かなりカジュアルな雰囲気の中で行われました。
クラス(担任の先生)によって内容は若干変わってくると思いますが、娘のクラスはとても楽しい内容でした。
まず遊ぶ
クラスに到着してまずしたのは、遊ぶこと。子供たちは不在の会、大人だけです。
「子供たちが普段どんなことをして過ごしているのか、身をもって体験してください」とのことで、クラスにあるたくさんのオモチャで保護者が遊びました。
と、かなり本気になるゲームもあり、小麦粘土でドロドロになったり、目玉が6つの顔を書いたりと、ワイワイ盛り上がりました。
その後、遊んだ時間と同じくらいの時間をかけて、カリキュラムやクラスのルールなどについて説明がありました。
形式よさようなら
年度初の集まりでしたが、保護者や先生の自己紹介などはありませんでした。
子供が幼稚園でどんな1年間を過ごすのか?
それを知らせることに重点がおかれ、形式的なことは一切なし。
それに倣って、服装もいたってカジュアルです。
- 保護者:いつものお迎えと変わらない普段着
- 担任の先生:デニムパンツ+かわいいトップス
- 体操の先生:ジャージ
園長先生はクラスに立ち寄って、ドアのところで挨拶と事務的な説明だけ。笑顔で親切ですが、道徳的ないわゆる「校長先生のお話し」はありません。
ちなみに、園長先生はスーツ姿ではなく、ネクタイもなし。開襟シャツにズボンという、これまたカジュアルないでたちでした。
パパがいっぱい
保護者会の時間は、平日の夕方17:30から。
保護者会のお知らせは数日前だったにも関わらず、たくさんのお父さんが参加していました。
PTAの義務はない
娘の幼稚園にもPTAに当たるような、有志の保護者の会があります。
保護者の会は、ダンス・パーティーや学園祭のように、子供が実際に参加するイベントを企画・運営します。
年間を通しての係をする義務もなければ、その人数も決まっていません。文字通り有志です。
なので、保護者会では、PTA役員選出のためのくじ引きが行われることも、欠席者がペナルティのように指名されることもなく、恐怖のPTA地獄絵巻は繰り広げられませんでした。
ベルギー幼稚園の驚きカリキュラム
保護者会自体も新鮮なことがいろいろとありましたが、年長クラスのカリキュラムはもっと驚くことがいっぱいでした。
林間学校
年長さんの終わり近くに、子供たちは林間学校に行きます。
幼稚園児がお泊り旅行に行くだけで私には驚きなのですが、なんと、その期間1週間!
子供の自立心を育てる、という教育の一環のようです。
ベルギーでしばしば感じるのは、子供は子供としてしっかり見守りつつも、同時に1人の人間であることを学ばさせる、という姿勢です。
それにしても、夏休みの間に夜のオムツを卒業しておいてよかった、と一安心。
パジャマの下に履いたパンツを、クラスメートに誇らしげに披露する姿……ママは今から目が潤みます。
プール
幼稚園の年長さんは、自治体が運営するプールを利用して通年で水泳の授業がありました。
ありました。
そう、過去形なんです。
とても素晴らしい制度なんですが、地域の子供の数が増えているために、小学生のプール時間が激減。そのため、年長さんの水泳時間をなくして、小学生からの水泳時間を長く確保することになりました。
園のロゴ入り水泳帽をもらいたかった娘は、かなりガッカリ。あと1年我慢しよう。
年長さんから外国語
それは、数日前のこと。新学期早々、ある日の降園途中で娘がこういいました。
お友だちに教えてもらったのだとばかり思っていたら、保護者会で説明された年長さんのカリキュラムに
オランダ語
とありました。英語じゃありません。
実は、ベルギーには公用語が3つあり(フランス語、オランダ語、ドイツ語)、それぞれの言語自治共同体があります。
娘の通う園はフランス語共同体の公立幼稚園。普段の園生活はフランス語です。つまり、オランダ語やドイツ語に触れる機会はほぼゼロです。
年長さんのオランダ語の授業ではその環境を補い、自分の住む国の公用語を幼少期から学ぶ機会、ということになります。
多言語国家の教育について耳にしたことはありましたが、目の前の幼稚園児が自分の知らない言葉をしゃべるのはかなりの衝撃です。
あまりにビックリして、思わず
と無駄にラテン語で返してしまうくらい衝撃です。
まとめ
以上、驚きの連続だった幼稚園の保護者会でした。
所変われば品変わる、ということで、幼稚園と親の関係も、幼稚園で学ぶことも自分の「フツウ」とは違うことがいっぱいでしたが、
子供が安心して学び育っていけるよう、最善の環境を作る努力をする。
という点はどこも同じで、たくさんの国に共通している根本の哲学なのだな、と感じました。