ブリュッセルにある小さなお城のような建物アル門( Porte de Hal )。
お城にしては小さいし、お屋敷にしてはやけに縦長だし……。
そして名前は、「門」。
前を通るたびに気になっていましたが、やっと行くことができました。
600年以上も町にそびえる門は、現在、ブリュッセルの歴史を知ることができるコンパクトな博物館になっています。
写真もいろいろ撮ったので、早速レビューしたいと思います。
Contents
中世のブリュッセルは塀の中
アル門は、正確にはただの「門」ではなく「城門」。
ブリュッセルは、かつて城壁で囲まれた城郭都市でした。アル門は、その名残を唯一とどめている貴重な建築物というわけです。
建設は14世紀なので、600年以上もその場にそびえ続けていることになります。
当時の城壁は、外敵から町と住民を守る防御の目的のほか、共同体としての力(自治、富など)を誇示するシンボルでもありました。
19世紀に入り、博物館となるべく改築(増築)。
当初の姿からガラリと風貌が変わり、現在はネオゴシック様式の外観となっています。
卒倒するような美しいらせん階段でめぐるアル門の中
アル門は、以下のように地上5階、地下1階からなっています。
入り口は建物の2面にあり、チケット売り場は1階になります。
地上階はいずれも天井がとても高く、通常の建物の2階分くらいあります。
各階への移動は、エレベーターか階段の選択肢がありますが、おすすめはダンゼン階段です。
もうため息がでるような甘美なカーブを描くらせん階段。
そこを昇降するだけでもこの博物館に行く価値があるほどの美しさです!
中世ナイト満喫の1階と地下1階
ナイトといってもNightではなくて、Knightです。中世の城門だけあって、中世や騎士好きにはたまらない展示がいろいろあります。
1階にはちょっとした鎧体験コーナーがあったり、
騎士の石碑があったりします。
地下1階には、昔の武器が展示されています。
エレベーターの壁も鎖かたびら調というこだわり。
2階はゴシックの間
この階は、改築がほどんどされていません。ゴシックのアーチがゾクゾクするような中世の姿をとどめたホールになっています(窓だけは、採光の理由から改築)。
いろいろな種類の展示品が並んでいます。
アルブレヒト大公の鎧と愛馬。鎧は豪奢なミラノ製。馬のはく製はヨーロッパで一番古いもの。
昔の商取引で使われていたおもりや計量カップ
市内にあった魚河岸組合の玄関だった門
3階はギルドの間
中世ヨーロッパで生まれた同業者組合「ギルド」をテーマにした展示ホールには、在りし日のギルドの力や富を物語る品々が並んでいます。
ギルドがパレードなどで掲げた儀式用の大きなたいまつ
秘密結社を彷彿とさせるような、ギルドの帳簿。
ギルドの首飾り
4階の特別展示はなかったけれど……
なんと、映画の父、ルミエール兄弟の撮ったブリュッセルの動画が流れていました。
そして、19世紀後半にブリュッセルで普及していた一般的な住居のドールハウスが展示されていました。地味だけど、見れば見るほどすごいミニチュア。ネオクラシック!
展望台でブリュッセルの町を眺める
門をぐるっと1周するようにブリュッセルの街並みを見ることができます。
アル門の基本情報
アル門
Porte de Hal
住所 : 150 Boulevard du Midi, 1000 Bruxelles
tel : + 32 (0)2 534 15 18
e-mail : portedehal@mrah.be
URL: http://www.kmkg-mrah.be/fr/la-porte-de-hal
ちなみに……
アル門は、サンカントネール博物館と同じく王立美術博物館( Musées Royaux d’Art et d’Histoire )の一部となっています。
開館時間
火~金曜日: 9:30 - 17:00
土、日曜日: 10:00 - 17:00
(チケット売り場は16:45にクローズ)
休館日: 毎週月曜日。1月1日、イースター・マンデー、5月1日、11月1日、11月11日、12月25日
短縮営業日: 12月24日、12月31日は、15:00に閉館。
我が家は4歳の子供を連れてかなりじっくりとまわりましたが、2時間ほどあれば十分に見学できます。
アクセス
- 地下鉄: 2号線、3号線、4号線、6号線でPorte de Hal駅下車すぐ
- バス: 27番、 48番、134番、136番、137番、365番でPorte de Hal駅下車すぐ
- トラム: 4号線で Porte de Hal 駅下車すぐ
入館料
- 大人(26~65歳): € 5
- 19~25歳、シニア(65歳以上): € 4
- 子供(4~18歳): € 1,50
他の美術館や博物館にも入場できる共通チケットもあり。詳しくは窓口で確認する必要があります。
設備やサービス
- トイレ(地下1階と3階)
- おむつ交換台(地下1階)
- クローク(というか、ただのコートかけがあるのみ)
- ショップ(チケット売り場に併設)
- オーディオガイド(無料。英、仏、蘭、独語。チケットを買うときに頼む)
私の娘は、幼稚園の学習テーマがちょうど「中世」だったこともあり、かなり楽しんで見学していました。博物館の規模としては小さめなので、観光の合間に比較的短時間で見学するにもいい場所だと思います。もちろんじっくりまわるのもおススメ。ブリュッセルの町を一味違って見ることができるようになります。
ブリュッセルの歴史を感じたくなったら、ぜひ訪れてみてください♪