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ファンタジー溢れる『夢のチョコレート工場』|子どもと観る映画

ロアルド・ダールの児童文学『チョコレート工場の秘密( Charlie and the Chocolate Factory )』を初めて映画化した作品、『夢のチョコレート工場( Willy Wonka & the Chocolate Factory )』 のレビューです。

3歳の娘と鑑賞した母親の視点で解説しています。

『夢のチョコレート工場』基本データ

近年世界的にヒットした『チャーリーとチョコレート工場( Charlie and the Chocolate Factory )』の30年以上前に公開された映画。歌が各所に挿入され、ミュージカル構成になっています。

  • 原題: Willy Wonka & the Chocolate Factory
  • 製作: 1971年、アメリカ、1時間40分
  • 監督: Mel Stuart
  • 出演: Gene Wilder, Jack Albertson, Peter Ostrum 他
  • 観た言語: 英語(字幕付き)

『夢のチョコレート工場』あらすじ

ウィリー・ワンカの経営する謎に包まれたお菓子工場ワンカ。長く閉ざされていたその門が解放されるとなって、世界中が大騒ぎになります。

貧しい家庭の子どもチャーリーは最後のチケットを手に入れ、夢のような気持でおじいさんとワンカの工場見学へ出かけます。

チャーリーたち招待客は、ウィリー・ワンカの案内で秘密や不思議がいっぱいの工場の中へ入っていき……

『夢のチョコレート工場』の評価

9/10

ポイント

  • 子ども向けの文学の名作を映画化した名作映画。
  • 子どもの空想力をかきたてるファンタジー溢れる映画。
  • えばりん坊や、食いしん坊、優しい子どもなど、子どもらしい子どもがたくさん描かれている。
  • 夢、希望、誠意、優しさなど、子どもに教えてあげたいテーマがちりばめられている。
  • 登場人物ウンパ・ルンパの不思議な歌や踊りをスパイスに、子どもが飽きずに楽しめる。
  • シンプルな英語で、原語で見ても分かりやすい。

『夢のチョコレート工場』の見どころは、ファンタジー!

メル・スチュアートの『夢のチョコレート工場』には、原作となったロアルド・ダールの夢溢れるファンタジーの世界が見事に描かれています。

工場内の数々の不思議なシーンなど、CGを使用せずに手作りのセットを駆使していることもあり、本を読んでいて頭にファンタジーの世界が広がるような、とても奥行きのある世界が描かれています。

また、名優ジーン・ワイルダーの演じるウィリー・ワンカは、何とも魅力的。ルイス・キャロルの『アリスの不思議な世界』に登場しそうな、謎に満ちた不思議で素敵な、まるで子どものような大人です。

ところで、ロアルド・ダールの同じ作品はティム・バートンも映画化しています(『チャーリーとチョコレート工場』)。バートン版はファンタジーの世界が全体的にダーク&ゴス。暗い影を感じさせる舞台に、鉄板ジョニー・デップの演じるウィリー・ワンカが映える不思議怖いエンタメ・ムービーです。

さて、話は戻ってメル・スチュアート版の『夢のチョコレート工場』。こちらも奇妙なシーンがちりばめられていますが(お菓子屋の店主やチャーリーの先生は本当に怪演!)、とにかく明るい。摩訶不思議なシーンの数々は、子どもが見ている大人の世界なのでしょう。子どもにとって大人の生きる現実は時に不思議で時に奇妙だけれど、その世界はこんな明るさを持っていてほしい。この映画を娘と観ながらそう思いました。

『夢のチョコレート工場』を観終わって

私は10年ほど前にティム・バートン版の映画を観ていましたが、メル・スチュアート版の存在は、かなり後になるまで知りませんでした。娘と一緒に……と言いながら、自分の方がうっとりしてしまうくらい。つくづく隠れた名作だと感動しました。

観終わった後に、バートン版の『チャーリーとチョコレート工場』を観てみたり、原作のダールの本を子どもと呼んでみたりするのもおススメです。

映画に登場するウンパ・ルンパのシーンは、かなりサイケデリックでシュールですが、子どもの心もぐっとつかみます。観終わった後は、ご家庭にウンパ・ルンパがやってくるかも。我が家には、「ウンパ、ルンパ……」と口ずさみながら不思議ダンスを踊る3歳児が出現しました♪

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