ロンドンは美術館や博物館がひしめき合う、文化・教育施設の宝庫。その各地域にある公立図書館もロンドン市民の大切な文化施設です。地区や図書館にもよりますが、その多くは、本の貸し出しだけでなく様々なサービスを提供しています。就学前の子供たちへのサービスも色々とあるので、海外での慣れない子育てをしているママにもおススメです。
ここでは、だいぶ利用させてもらったウィンブルドンの図書館( Wimbledon Library )の例を挙げてご案内します。
英語の読み聞かせと童謡
図書館では1年を通して、子供向けと大人向けのアクティビティ・カレンダーを掲示・配布しています。ほとんどのアクティビティは無料で、区民や図書館に登録がない人でも参加できます。子供向けのアクティビティは、5歳以下の子供向けと、5~12歳の児童向けの2つのカテゴリーに分かれて構成されています。
手のかかる幼児を抱えるママに嬉しいのが、読み聞かせと童謡のアクティビティ。2016年初春の時点では、毎週3~4回催されていました。
各アクティビティは複数の主催者やボランティアの担当者が企画し、参加したい親子は当日の予定時間に図書館の児童コーナーに直接出向きます。予約制ではないので、人気のあるアクティビティは座る場所を見つけるのも大変なことが往々にしてあります。
アクティビティでは担当者のギターに合わせてみんなで童謡を歌ったり、本の朗読に耳を傾けたりします。
私も娘もずいぶん通ったので、楽しみながらたくさんの英語のお話しや歌を覚えることができました。
また、ロンドンという場所柄さまざまな出身の親子が集まっているので、新しいお友だちを見つけたり、情報交換をしたりするのにもとてもいい機会です。
子供に本のプレゼント
ウィンブルドンの図書館は、 Bookstart Programme (ブックスタート・プログラム)の提携機関でした。このプログラムはイギリスの国家プロジェクトで、生後8か月~3歳の子供たちに読書の喜びを伝えることを目的としています。
具体的には、図書館など各地域の公共機関を通して子供たちに本のプレゼントをしています。子供たちがプレゼントをもらえるタイミングは、
- 生後8か月を迎えた子供
- 生後18か月を迎えた子供
- 3歳を迎えた子供
の3回で、年間を通して図書館の受付で申請をすることができました。受付でマートンに住む子供のレッドブック(母子手帳)を提示すると、 Bookstart Programme のロゴ入りバッグに本が数冊入った Bookstar Pack と呼ばれるセットを受け取ることができます(配布は在庫限り)。
娘は8か月と18か月のセットを図書館でいただき、3歳のセットは公立幼稚園を通していただきました。どれも月齢や年齢に合ったステキな絵本で、今も娘の本棚に並んでいます。
地域で育児を支援
以上のように、我が家は親子ともども大いにロンドンの図書館にお世話になりました。
乳飲み子を抱えて誰も知らない土地にやってきた時、ほかのお母さんたちと他愛無いお話しができたり、最初は口パクだった童謡を歌いながら英語を勉強したり、ありがたい機会をたくさんもらいました。そして、こうした場所の門を開いているロンドンの豊かさと懐の広さにとても感謝しています。私にとってロンドンの図書館は、地域で子育てを支援していることが実感できる場所でした。
みなさんもロンドンで育児の機会があったら、ぜひ図書館を活用してみてくださいね!