Cartable (カルターブル)は、フランス語で学生用の通学カバンのこと。フランスやベルギー(フランス語共同体)で、幼稚園や学校に通う子供たちが揃える必需品です。
フランスやベルギーの通学カバン、カルターブルのあれこれをまとめます。
(カルターブル選びは入園、入学前の一大イベント。カルターブルの選び方は、こちらからどうぞ!)
カルターブルって、どんなカバン?
カルターブルは、フランスやベルギーの幼稚園生から高校生までが通学に使う学生カバンの総称。
一般的な公立校には学校指定の通学カバンはなく、市販のカルターブルが通学カバンとして使われています。
小学校の6年間買い替えることのない日本のランドセルとは異なり、カルターブルは子供の成長とともに大きなサイズに買い替えていきます。
多種多様なカルターブル
カルターブルは子供の年齢に合わせて大小さまざまなサイズがあるほか、形や色もバラエティに富み、高級ブランドから格安業者までいろいろなメーカーが販売しています。まさに学生たちのアイデンティティを反映するカバンと言えます。
小学校高学年くらいからは個性表現の一つとして学生自身が選ぶことも多く、メーカーのロゴがバーン!と入ったカバンも人気があります。
以下、カルターブルのタイプを簡単にまとめます。
オーソドックスなカルターブル
横長の長方形で、持ち手が1つとバックパックのように背負うためのショルダーベルトが2つついたもの。小学校低学年はこのタイプが多いです。
ちなみに、背負うタイプがスタンダードになったのは20世紀初頭からです。
ちょっと昔(19世紀)のカルターブル
ショルダーバッグのように、肩から斜めにかけるタイプのカルタ―ブルが昔の定番でした。19世紀のフランス文学作品などにも、肩からカルターブルをかけた子供の姿がよく描かれています。
現在のブリュッセルでは、斜めがけタイプのカルタ―ブルを使っている学生はまったくと言っていいほど見かけません。
トレンドのカジュアル志向カルターブル
スポーツ用品ブランド、キャンプ用品メーカーの作っているバックパックを通学用カルターブルとして使うのがトレンドです。特に、90年代頃から中学生以上の学生の間で大流行。
OutdoorやEastpakのように、学校、地域、グループによって「おしゃれ」とされる特定のブランドがあったりします。
キャリー型カルターブル
学年が上がってくると、カルタ―ブルはとても重たくなってきます。子供の背中にかかる負担を減らすため、小学校高学年くらいからは車輪のついたキャリー型のカルターブルで通学する子供もいます。その一方で、校内での安全に留意してキャリー型のカバンを禁止している学校もあります。
ブランド志向のカルターブル
富裕層の多い幼稚園や小学校低学年の流行り。高めに設定された価格で、大多数は親の好みによる選択と言えるでしょう。
カルターブル専用の高級ブランドもあります。
カルターブルの語源
ラテン語で「紙」を意味する charta という単語から派生しています。もともとcartableは「大きな紙入れの」ことを指していましたが、時とともに新しい意味を持つようになり、学生が通学に使うカバンのこともcartableと呼ぶようになりました。
星の数ほどあるカルターブル。選ぶのはなかなか骨が折れます。次のページでは、カルターブルの選び方についてご紹介します!