ポルトガルの海辺に行って、思いがけず潮干狩りをしてきました。
潮干狩りは日本の専売特許のようなイメージがあったので、
とは夢にも思っていなかったので、まさに驚きの体験でした。
そんな夏休みの「外国で潮干狩り」のお話をシェアしたいと思います。
ポルトガルを囲む大西洋とつながった湖
子どものの幼稚園が夏休みに入ったので、私たち家族は太陽を求めてヨーロッパの西の果てポルトガルへ行きました。
イベリア半島の西側には大海原が広がっていて、ポルトガルの各地にはサーフィンや海水浴のできる場所がいっぱいあります。
ところが、大西洋は大洋(オーシャン)だけに、地中海のような海(シー)に比べると水温が低め。そこで、ある日、娘が泳ぎやすそうな「湖」と現地の人が呼んでいる場所に足をのばしてみることにしました。
上の写真にあるのが、その湖。この左手にはずーっと砂浜が続き、大西洋につながっています。
白く輝く砂浜に、人の影はまばら。来ている人のほとんどが小さい子どもを連れた家族なので、のんびりできそうです。
貝だらけの砂浜
車をとめて水辺に向かうと、むせかえるような海のにおいがします。いわゆる「潮の香り」を10倍濃縮にしたようなパンチ力のある風が、そよそよ湖面を揺らしています。
それもそのはず、大西洋の水がすぐ隣から流れ込んでいるので、湖と言っても潟、淡水ではなく海水なのです。
さあ海水浴だ!と、白く光る砂浜を歩いて水辺に近づいて行くと、オーガニック感満載の黒い砂が現れます。
きれいに澄んだ湖の水面には、養殖しているのかと見まごうほどの海藻がモサモサと漂っています。
水の中に人はいるけれど、その辺りに浮き輪を使っている子どもの姿はありません。
と感心したのも束の間、実はものすごい遠浅でした。
遠くで泳ぐ人もいるけれど、とにかく目についたのが、ビニール袋を手にした水着姿の人々です。うつむいて、一心不乱に何かを湖の底から拾っています。
袋に投げ入れているのは、そう、貝。しゃがみもせず、くまでも持たず、散歩でもするように優雅に水着で潮干狩りをしていています。
沢山の人が拾っているのは、ギザギザのぷっくりと丸くふくらんだ貝でした。
砂浜中にころがっていた、この貝。大きさはアサリ~シジミほどで、白い貝殻には凸凹の筋がいくつもはいっています。
ポルトガルの潮干狩りは、ズボンのすそをまくって、しゃがんで砂浜をガリガリというスタイルではありませんでした。基本のポジションは、水着&立ち。脛の半分くらいまで水の中に入ってウロウロ歩きまわります。そして、ここぞという狩場を見極めたら、腕をつっこんで砂の中の獲物を素手で仕留めます。
潮干がってる人の中には、大きなムール貝やアサリだけを採っているような「風貌からしていかにも達人」と見受けられるエキスパートの姿もありました。
採った貝は食べられるのか?
そんな風景を目にしたら、いてもたってもいられません。海水浴はそっちのけで、私も潮干狩りにいそしんでみることにしました。
正味1時間ほど探してみた結果、とれた貝は合計で1.5キロほど。
潮干狩り。 pic.twitter.com/CSAXK4Yxft
— ぱんた | Panta Rei (@reipantaCom) 2018年7月7日
貝は、現地の人にならって海水を入れたビニール袋に入れて日陰に置いておき、宿に持って帰って夕ごはんでいただくことにしました。
ちなみに、私はこの水を使って、絵本『だいちゃんとうみ』で読んで以来あこがれている「海の水で炊いたごはん」を作りたかったのですが、家族会議で却下されました。ざんねん。
さて、収穫の内訳はと言うと、白いギザギザの貝がほとんどで、そのうちアサリが5%くらい。養殖場から流れてきたと思われる小さなムール貝も、娘がカニと闘って3つほど手に入りました。
ポルトガルの調理方法は分からなかったので、イタリア式でお料理します。オリーブオイル、ニンニク、白ワイン、イタリアンパセリだけで、かんたんに炒め蒸したのが、こちら。
感想はずばり、想像を超えるおいしさでした。
まとめ
思いがけない潮干狩りによって、海辺の生き物を間近で観察し、さらにそれを食せるという大人にも子どもにも嬉しい体験をすることができました。
ふだんは頑として貝類を口にしない娘も、自分で見つけた貝は嬉々として食べていたので、よほど楽しかったのでしょう。幼少期の夏休みにいい思い出をプラスすることができました。
ポルトガルに行くときは、ぜひオプションの1つとして検討してみてください。
以上、夏休みに訪れたポルトガルで、予期せず潮干狩りをしたお話でした。