こちらのページでは、イタリア人の姓名の「姓 cognome 」についてご紹介します。
語源のお話しや、イタリアで多い苗字のランキングもあります。
イタリア語を学ぶ方へ
イタリア語では姓や名などの人名を antroponimo と呼び、固有名詞学 onomastica を構成する1分野としています。このページでは、イタリア語の antroponimo の1つである cognome について紹介しています。
*イタリア人の名 nome については、こちらの記事に詳細を載せています!
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イタリア人の姓名と表示の仕方

ElisaS89 / Pixabay (CC0)
一般的なイタリア人の名前は、日本人と同じく姓 cognome と名 nome から構成されています。
表示の仕方は nome + cognome の順が正しいとされ、行政手続きに関する表記に限りでは cognome + nome の並びも正しいとされています。
例えば、『神曲』で有名なダンテ・アリギエーリ( Dante Alighieri )や、ブランド名になっているジョルジオ・アルマーニ( Giorgio Armani )では、ダンテやジョルジオが名、アリギエーリやアルマーニが姓となっています。
イタリア語の姓の語源
まずは、イタリア語で姓を表す単語 cognome の語源を見てみましょう。
もとの単語となったのはラテン語の cognomen で、本来は現代で言うところの「あだ名」を意味する単語でした。これは、古代ローマの市民が持っていたとされる3つの名前の1つです。
- praenomen:現代の姓名の「名」にあたる。
- nomen:現代の姓名の「姓」にあたる。士族を表す。
- cognomen:現代の「あだ名」にあたる。個人だけでなく、ある氏族に属する一家全体にもつけられる。
紀元5世紀ごろからはラテン語の nomen と cognomen が混同して使われるようになってきたと言われ、それが現代イタリアの姓 cognome に集約されたと考えられています。
イタリア語の cognome は直訳すると「共通の名前」となり、家族で共通の名前である「姓」を意味することが納得できます。
ちなみに、現代イタリア語では「名」を表す単語としてnomeが使われることが一般的ですが、ラテン語の名残をとどめた名詞 prenome が用いられることもあります。そして、フランス語の prénom 「名」や nom 「姓」もラテン語から派生していることがよく分かります。
姓はどのようにできたか?

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イタリア語の姓にはさまざまな語源がありますが、主に以下の5種類に分類できます。
- 人名(姓ではなく名の部分): 例)De Luca、Di Benedetti など。
- ニックネーム:多くは身体的特徴や職業など。 例)Volpe、Mori、Barbarossa など。
- 地名:家族の出身地や、一般的な地形など。Greco、Da Vinci、D’Ancona、Costa など。山田さん、谷さん、などと似ています。
- 職業:例)Fabbri、Maestri など。
- 身寄りのない子供につけられた宗教にまつわる姓:例)Dioguardi など。
イタリア人の姓は i で終わるものが多い

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イタリア人の姓は -i で終わるものが数多くあります。
例えば……
- グッチ( Gucci )
- フェンディ( Fendi )
- ブルガリ( Bulgari )
- フェラーリ( Ferrari )
- ランボルギーニ( Lamborghini )
- ガリレイ( Galilei )
- ロダーリ( Rodari )
- ベルルスコーニ( Berlusconi )
- ベニーニ( Benigni )
- モディリアーニ( Modigliani )
など。
このように、日本でよく知られている名前だけでも挙げればキリがないほど。
その理由について「姓は一人ではなく家族共通であり、家族は複数の人間で構成されているため、イタリア語で複数形となっている」というような解釈を耳にすることがありますが、実際はもう少し複雑で、ラテン語の属格に由来しています。
イタリアで1番多い姓は?
イタリア人に多い姓のランキングをまとめます。
以下の表は、1979年の Emilio de Felice が調査したデータ、1990年代のオンライン調査 Gens.info によるデータ、2016年のオンライン調査 MappaDeiCognomi.it によるデータをもとにしています。
手近な例で言えば私のイタリアでのホームドクターは Dr. Rossi (ロッシ先生)であり、大学の先生は Prof. Ricci (リッチ教授)であったりと、ランキング上位の姓は本当にイタリアを歩けばぶつかる名前です。
ちなみに日本の代表的な姓名例である「山田太郎」のイタリア語版は「Mario Rossi」となります。
また、イタリアは地方や地域によって言語が違うといわれるほど、言語学的にバラエティに富んだ地です。姓名についても然り。地域によって若干のズレがあることは言うまでもなく、また、地域によってRossoさんがRussoさんになったり、BigioさんがBixioさんになったりなど、方言の影響を受けることが多々あります。




当然ながら、姓のもともとの意味と本人の特徴は一致しません。
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