海外に住んでいると「英語がうまくなって当然!」的なイメージがありますが、自らの経験をもって胸を張って言えるのは、
という現実があること。
留学や仕事のために英語圏で生活する人は、毎日必要に迫られるように思う存分英語を使い、メキメキと上達するでしょう。
でも、家族の都合で海外来て、不慣れな環境で子育てや家庭のあれこれを一手に請け負う駐妻ママにとって、バリバリと英語のスキルアップを図るのは意外と難しかったりします。
そんな中、自分がロンドンに住んでちょっとだけ英語力が上がったな、という方法があったので、シェアしたいと思います。生後1か月半~3歳の子どもを育てながらの生活だったので、きばらず、ゆるっと学んだ英語の勉強法になります。
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子連れママが海外で英語を学ぶハードル
まず、私が海外でネックになったのは、次の2つのポイントです。
- 子どもが小さい
- 高額なスクールには通いたくない
子どもはシッターさんに預けて英語を習いに行く、という選択肢も考えました。けれど、子どもがまだ話せない年齢だったため、心配性の私は万一のことを考えて却下しました。
また、いわゆる現地の英語学校には、託児サービス付きの学校もあります。ただ、とても料金が高いのも事実。我が家はパパのお給料メインで暮らしていたことから、あまり高額なスクールに通う気持ちはありませんでした。
信じる者は救われる
それでも、せっかく本場で英会話を学べるのだから、スクールや教室に通ってきちんとした発音を身に着けたい。
そんな風に思うママも多いのではないでしょうか?
小さなこどもの存在と「通学」の両立という壁を超えるにはどうしたらいいのか?そう考えていたところに出会ったのが、教会主催の英会話教室です。
ロンドンではいろいろな宗派の教会が行っていますが、いずれも教会内施設で信者がボランティアとして外国人に英語を教える、という形式です。「母親向け」に開かれているものは、小さな子どもを見てくれたり預かってくれたりするサービスもあります。
もちろんボランティアは「ネイティブ・スピーカー」で、もと英語の先生というプロもいたりします。
ただし、教会にとってみれば、この英会話は布教活動の一環であるという事実も覚えておかなくてはなりません。つまり、たいていの英会話教室では、最後の30分くらいを聖書の時間にあてていたりするわけです。
なので、
という方にはおすすめできません。
私は、「文化人類学」的なお話しを聴く機会ととらえていました。実際、西洋の文化を知るうえでキリスト教の知識はとても役立ちます。
バイブルスタディは、あくまでも聖書の教えや解釈を学ぶ時間で会って、むりやり改宗させられるようなことはありません。
ちなみに……
教会主催の英会話教室を探す方法はいろいろありますが、確実なのはネット検索。英語でググればかんたんに近所の教会の情報が見つかります。
周りの日本人ママに尋ねる、という方法もありますが、残念ながらクラスの人数が増えるのを避けるために情報をシェアしたがらない人も意外と多いのも事実。周囲に尋ねても教会の情報は得られなかったのでネットで調べて参加し、会場に着いてみたら、あらあのお母さんも、このお母さんも、という感じで実はみなさん通っていた、というケースもあります。
教会からスピンオフ
教会の英会話教室は、費用が安く広く門戸が開かれているので、大人数であることがほとんど。
もし、ボランティアの中に気の合う先生がいたら、個人レッスンをしてもらえるか尋ねてみるのも1つの手段です。ボランティアの方の個人レッスンは良心的な値段設定も多く、マンツーマンになると自分の気になる分野をかなり効率よく学ぶことができます。
日本語を勉強中の先生がいたら、英語と日本語でタンデム(言語交換)をしようという提案をするのもありです。
教会の外で、ときに英会話・日本語会話をしながら、たまに散歩やお茶をしながら英語を学んでみてはいかがでしょうか?
子育てプレイグループに参加してみる
こちらは、英語を学ぶというよりも、結果的に英会話に参加する、という趣旨。
ロンドンでは、あちこちの教会ホールでたくさんのプレイグループが定期的に開かれていました。
イギリス人のママはもちろんのこと、外国人のママも多く参加。子どもを遊ばせながら、お茶やビスケットを片手にほかのママたちと英語でおしゃべりします。
使いながら英語を学ぶことはもちろん、地元の情報交換をしたり、子育てや遊び方の違いを知ったりと、とても勉強になります。
海外の日本人社会は狭いので、交友関係を広げる目的も兼ねて、現地のプレイグループに参加するのもありです。
サークルに参加してみる
編み物・文学・チェスなどをテーマにした同好会に参加するのも、英語力アップの1つです。
こちらも、英語を習うというより、生きた英語に触れる機会ととらえましょう。
現地のサークルに参加しているのは、現地の人。つまり、英語を話すネイティブスピーカーと交流することになるので、サークルに入ることで生の英会話に参加することができます。
多くのサークルは、区役所や図書館などの公立ホールで定期的に開催しています。
子連れが可能かどうかチェックすることはもちろん、サークルの選別はとっても大切です。サークルのテーマはもちろん、参加者の人間関係などもサークルの居心地の良さに大きく関係してきます。
私が参加していたのは、哲学サークル。古代ギリシアからフランス現代哲学まで幅広く博識な人が大勢いましたが、トピックによって政治的な話題がヒートアップしたり、月に1回くらいはフラッと不思議な人が現れて、
と耳元で謎のトークをささやかれたりと、彩り豊かなグループでした。
外に出たくない日は独学
そんなことを言っても、外国での暮らしはキツイこともたくさん。海外とは、突き詰めてしまえば、知らない人ばっかりいる、知らない文化に包まれた、ずいぶんと不便な環境。重い気分で過ごしてしまう1日もありますよね。
気持ちが乗らない日は、外に出なくても勉強できるグッズがあると
という罪悪感をちょっぴりぬぐうことができます。
本場で日本の教材を使うってどうなの?とも思いますが、やはり日本人のために作られているだけあって、効率的に学習できるようよくできています。
外に出る元気がないときは、キクタンでも何でもいいので、独学で1ページだけでもこなしてみましょう。それだけでも意外と気が軽くなって、明日の新たな一歩につながるはずです。
現地セレブのファンになる
ミーハー上等、英語をしゃべる誰かのファンになってみるのも1つの上達法です。
外国語教育の研究によれば、何かや誰かを「好き」という感情は、語学力アップの強力なモチベーションとされています。
ロイヤルファミリーのメンバー、往年のコメディアン、おばあちゃま料理研究家など、大好きな英語のネイティブスピーカーであれば誰でもいいんです。
その人をもっと知りたい!と思えば、インタビュービデオを観たり、本を読んだりと自動的に英語に触れることができるはず。
いきなりファンになれと言われても……という方は、子ども番組のキャストもおすすめ。子どもとテレビを見る時間が、楽しいお勉強の時間に変わります。
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まとめ
以上、海外駐在に子連れできてゆるっと英語を学ぶ方法でした。
イタリアには、「Chi va piano va sano e va lontano. (あせらず行けば、元気に遠くまでたどり着く)」という諺があります。
いつでもガリガリにステップアップを図るだけが正解ではないと思います。
子育てをしたり、家を守ったり、海外でも自分が後回しになりがちなママですが、負担にならない範囲で何らかの達成感を味わえるといいですよね。応援しています!