文化 映画

『ズートピア』で多様性の価値を考える|子供と観る映画

アニメーション映画『ズートピア( Zootopia )』のレビューです(ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの第55作目)。

『ズートピア』は、タイトル通り楽園のように発展した動物の世界が舞台。「多様性」や「共存」といったマジメな主題を扱いながら、愛らしいキャラクターによってユーモアたっぷり。家族みんなで楽しめる名作映画です。

2017年2月には、第89回アカデミー賞の長編アニメーション部門で見事受賞を果たしました。

それでは、3歳の娘と鑑賞した母親の視点で解説していきます。

『ズートピア』の基本データ

子供も鑑賞できる一般向け映画ですが、アメリカ映画協会のレイティングでは PG ( Parental Guide Suggested )となっているので、保護者の判断で子供と観ましょう。

  • 原題: Zootopia
  • 製作: 2016年、アメリカ、1時間48分
  • 監督: Byron Howard, Rich Moore, Jared Bush
  • 出演: Ginnifer Goodwin, Jason Bateman, Idris Elba 他
  • 観た言語: 英語(字幕付き)

『ズートピア』あらすじ

ズートピアは、小さなネズミから大きな象までさまざまな動物が暮らす大都会。

正義感の強いウサギのジュディは、念願かなって繁栄を極めるズートピアの警察官になります。とは言え前途は多難。その頃ズートピアでは奇妙な事件が続けて発生していたものの、ジュディはウサギであるため希望の仕事を任せてもらえません。

ところが、ひょんなことからジュディも1つのケースを担当できることになり、キツネの詐欺師ニックを相棒に謎の事件を追っていきます……

『ズートピア』の評価

9/10

ポイント

  • 笑いいっぱい。たくさんの動物ユーモアたっぷりに描かれている。
  • ジュディの不屈のチャレンジ精神は子供にとって素晴らしいお手本。
  • 多様性の素晴らしさと、それを守る難しさが主題となっている。
  • 夢、希望、誠意、優しさ、間違いを認める心など、子供に教えてあげたいテーマがたくさん。
  • チャレンジを応援する小気味よい音楽が映画全体のリズムを刻んでいて飽きさせない。
  • シンプルな英語で、原語で見ても分かりやすい。

『ズートピア』の見どころは、ユーモアとマジメな主題!

コメディ映画とも分類されている『ズートピア』は、ストーリー全体にユーモアが溢れています。イソップ物語などのおとぎ話を彷彿とさせる動物たちのステレオタイプが上手に活かされ、子供だけでなく大人もたっぷりと楽しめます。

ジュディとニックの名コンビぶりはもちろん、笑いどころで外せないキャラクターはナマケモノのフラッシュ(名前からしてジョークです)。

登場する動物たちはみな個性豊か。私たちが持っている「かわいらしい」動物や「こわい」当物ののイメージが見事に裏切られることも。

そして、ストーリーにメリハリをつけている主題歌『 Try Everything 』を歌っているのは、ポッポスターのガゼル。この声どこかで……と思ったら、シャキーラ姐さんの声でした。ガゼルもきれいだけれど、姐さんも相変わらずきれいー。

と、ユーモアでいっぱいの映画なのですが、とてもマジメな主題が取り上げられています。それはズバリ「多様性」。

私たちが生きている現代社会は、宗教、人種、国、文化などの違う「他者」に対する不寛容が溢れています。固定観念による他者への誤解、恐怖、不信、憎悪。

映画『ズートピア』は、まるで私たちの現実を映すかのような世界を描き、多様性という素晴らしい価値について問いかけています。そして、主題歌の『 Try Everything 』のように、私たち一人ひとりがその素晴らしい価値を守るために努めなくてはならないとエールを送っています。

『ズートピア』を観終わって

家族で大いに笑いながら楽しみ、親は骨太なテーマをグッと突きつけられたとてもいい映画でした。

当然ながらガゼルは我が家でもアイドルになり、クネクネ踊る3歳女児ガゼルが出現するかと思いきや、バックダンサーの虎ダンスで、タフにモリモリな感じで踊り始めました。これも多様性の素晴らしさ、ということでしょうか。

 

スポンサーリンク

-文化, 映画
-, ,

© 2021 ぱんたれい