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キリストの聖なる血を拝む。ブルージュの聖血礼拝堂( Basilique du Saint Sang à Bruges )

聖血礼拝堂2@ぱんたれい

ブリュッセルから車で1時間ちょっとの距離にあるブルージュという町に行ってきました。

そこでとても印象に残ったのが、ちょっと怖かった聖血礼拝堂。イエス・キリストの血を保存している場所です。

ということで、なんとも神秘的なブルージュの聖血礼拝堂( Basilique du Saint Sang à Bruges )のご紹介です。

聖血礼拝堂とは

聖血礼拝堂は、小さな町ブルージュの旧市街にある小さな礼拝堂。もともとは伯爵家の館の一部として12世紀に建てられた小さな個人の礼拝堂でした。入口を見ると、今は市庁舎として使われている建物(=伯爵の館)に垂直にくっついているのがよく分かります。

聖血礼拝堂1@ぱんたれい

礼拝堂正面に立つと、金ぴかと重いグレーのコントラストに背筋をゾクっとするものが......。小さいのに、ものすごい存在感です。

さて、伯爵家の当主だったティエリー・ダルザスは、12世紀中葉に第2回十字軍に参加しました。そして、東方からイエス・キリストの聖なる血を持ち帰り、礼拝堂はその保管場所となりました。

聖血礼拝堂はキリスト教会にとってものすごく貴重な聖遺物を預かる場所となり、なんとも小規模の礼拝堂ながら「バジリカ*」という栄誉あるタイトルを戴き、世界中からたくさんの巡礼者やツーリストが訪れる場所になったというわけです。

*バジリカ( Basilica )は、カトリックで一般の教会よりも上位とされている教会。いろいろな特権を与えられています。

独特の建築様式

現在、礼拝堂は2階建て。1階は聖バジリウスという聖人に捧げられた礼拝堂で、多くの観光客や巡礼者が目指す聖血を拝めるのは2階部分の礼拝堂です。

建立された時代(12世紀)を反映して、1階にある聖バジリウス礼拝堂はロマネスク様式の建物。一方、聖血が祀られている2階は、巡礼者が増えたことから16世紀に増築されたもの。そのため、2階の聖血礼拝堂とそこへ続く階段はルネサンス・ゴシック様式となっています。

聖血礼拝堂3@ぱんたれい

建物2階にある聖血礼拝堂の内部。敢えてロマネスク様式を取り入れている箇所もわずかながらあります。

ホーリー・ブラッド

イエス・キリストの血は、聖職者が厳かに座す前に置かれたガラス・ケースの中に納められています。

ツーリストに交じって敬虔な信者も拝みにきています。とにかく静かに厳粛に拝観の列に並びます。幼児でもちょっと声をだすと叱られます。順番がきたら一人ひとり台に上がり、間近で拝観。

霊感なんてないし信者でもないけれど、ホーリー・パワーのせいなのか、ケースの前にはとにかくすごい空気が漂っていて鳥肌がたちました。写真撮ろうなんて気持ちは木っ端みじんに吹っ飛びます。下は、ちゃんと撮ってこれた人の写真。

The Blood Relic by mathagat (CC BY-SA 2.0)

比較するなら、バチカンを訪れる人がご利益を求めて触る聖ピエトロの足(銅像)を触ったときの感覚みたい。たくさんの人のたくさんの思いが凝縮されて、濃縮されて、そこから流れていかずに宿ってしまっている感じです。

基本情報

聖血教会
Basilique du Saint Sang à Bruges
Burg 13, B-8000 BRUGGE
TEL: +32 (0)50 33 67 92

開館時間

  • 9:30 – 12:30
  • 14:00 – 17:30

注意!
毎週火~日曜日の11:00から30分ほどはミサの時間。よって、聖血を拝観できるのは毎日11:30 - 12:30と14:00 - 17:30の間のみ

入場料

  • 教会(聖血拝観を含む):無料
  • 教会内博物館:2.5€

博物館は小さなお部屋。展示品は少ないものの、キリスト昇天祭の日に行われるパレード「聖血の行列」で使われる聖櫃などを間近で見ることができます。

見学時の注意

バリアフリーではないので、2階にある聖血礼拝堂に上がるのも、聖血を拝観するのも階段を上らなくてはなりません。ベビーカーや車椅子の場合は注意が必要です。

 

以上、ブルージュにある聖血礼拝堂のレビューでした。

世界には不思議がいっぱい。ブルージュはロマンチックな町としてヨーロッパ駐在の日本人にも人気の旅行先ですが、こんなディープな神秘の聖遺物を訪れてみるのも興味深いと思います。

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