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イタリアの大学卒業風景がいろいろと面白かったお話し

 

こんにちは、ぱんたです。

受験の季節、久しぶりに大学のことを思い出しました。そして、日本とイタリアの大学では、卒業の仕方がずいぶん違っていたことを思い出しました。

そこで、当時いろいろとビックリした、イタリアのおもしろい卒業風景を、みなさんとシェアしたいと思います。

 

卒業式がない

海外で大学卒業!というと、

こんなイメージや、

こんなイメージ……

が思い浮かぶ方も多いと思います。

私も

ぱんた
マント来て、帽子投げちゃいますよ!

と夢をふくらませていましたが、イタリア事情は全然違いました。

と言うか、イタリアの大学にはいわゆる「卒業式」がありません。

一人ひとりが勝手に卒業していきます。

正確には、大学や学部ごとに卒業できる日というのが毎年決まっていて、各自準備が整った時点で卒業する、という方式になっています。

そのため、卒業するといっても、同じ学年の生徒が一堂に揃って卒業のセレモニーを行うという行事はありません。

 

卒業式が在学中最大の試練

では、卒業のために整える準備は何かというと、

  • すべての教科の単位を取得する
  • 卒論を執筆する

という、2つの条件を満たすことになります。

この2つの準備ができたら、最終試験(最終口頭試問)を受けられる日を選んで、卒業に臨みます。つまり大学を卒業する日は、卒論をもとにした口頭試問を受けるとても大切なテストの日、ということになります。

イタリアの大学卒業証書には、必ず卒業試験の点数が表記されています。履歴書の学歴欄にもこの点数の記述は必須。つまり、卒業後の就職活動においても、ただ大学を卒業するだけでは意味がなく、最終試験の点数がとても重要になってきます。だから、卒論も口頭試験もとっても真剣に取り組まないといけません。

この卒業試験、実はどんな人でも聴きに来られる一般に開かれたイベント

イタリアの大学の大多数となる国立大学の試験は、法律によってすべての人に公開されているんです。

エライ人
ピサの斜塔もベニスのゴンドラも見たし……

時間つぶしに卒業試験でものぞきましょうか。

口頭試問では、自分1人の前に教授10人くらいがずらっと並びます。そんな自分の後ろには、家族や友だちがモリモリいるだけでなく、場合によっては全然知らない人も試験を聞きに座っています。

ぱんた
まさに公開処刑。プライスレスな思い出です。

教授たちの質問はだいたい予想できるので、ある程度の準備をしておけます。ところが、運悪く先生の中に変人がいたりすると、鋭角の質問に大衆の面前で気を失います。

 

大学卒業は家族行事

大学の卒業試験は、イタリア人にとって人生の一大事

つまり、家族の一大事ということで、卒業にのぞむ息子や娘の雄姿を見ようと、お父さんやお母さんが駆けつけることはもちろん、遠方はるばるファミリー総出で親族が集まってくる学生もたくさんいます。

遠くからやってくる家族は、必ずと言っていいほど地元のおいしい名物やお菓子などを持ってきていて、式後のパーティーで息子や娘の友だちにふるまってくれます。

緊張でピリピリしている学生本人を囲む、お祭り気分いっぱいの親族。卒業の日は、涙と笑いの渦巻く不思議な空気が、大学中に充満します。

 

月桂冠をかぶる

滞りなく口頭試問が終わると、点数を発表されて卒業となります(滞ると卒業できません)。

どんな点数でも、たいていは発表されるとワァーっと歓声が上がって、花束やプレゼントをもちよった家族や友だちが学生を囲み、抱きしめ、キスし、もみくちゃにします。

そんな歓喜のカオスが収まると、あら、不思議。月桂冠が頭の上に載っているじゃありませんか。

こんなエライ人や

こんなエライ人も頭にいただいている、アポロンの霊木でできたもの。

卒業試験を見に来る友だちや家族の誰かが必ず用意している、本物の月桂樹でつくった冠です。

これは、知恵を身に着けた人のシンボルのようなもの。イタリアで「学士を修めた人」という意味の laureato ラウレアートということばにも、もともとは「月桂冠を頂く人」という意味がありました。

 

卒業グッズがいろいろと違う

日本の大学では、卒業式にガウンを着て四角い帽子をかぶりましたが、イタリアでは思いおもいの私服で卒業試験に臨みます。

歴史を遡ると、もともと大学でガウンを着るのは教授の方。現在も医学部の卒業式などでは、卒業審査をする教授陣がガウンを着ていたりします。

全体的に主流は私服ですが、最近はアメリカの風習が輸入されて学生にガウンを着せる大学も出てきました。

イタリアでは学年全体がそろって卒業するわけではないので、大学の卒業アルバムはありません。

もちろん紅白まんじゅうもありませんが、乾杯用のスプマンテ(発砲ワイン)のボトルだけは、必ず誰かがしっかりと用意しています。

 

卒業証書が激しく立派

記念品のようなものはありませんが、卒業をしっかりと実感できるものとして、卒業証書だけはきちんともらえます。

そして、大げさなまでに立派です。

ポスターのように凄まじく大きいので、就職先から卒業証書のコピーを要求されるととても困ります。仕方がないので離れたところから写真を撮って印刷すると、偽造を疑われるような怪しい仕上がりの書類になります。

そして忘れてはいけないのは、卒業証書原本が出来上がるタイミング。生粋のイタリア仕様で、受け取りは6か月~1年後が一般的です。留学生だと、もはやイタリアにいない時期に出来上がりの連絡がきます。

エライ人
もちろん、受け渡しは本人が大学に赴く現物主義!

 

まとめ

以上、日本とはだいぶ異なる、イタリアの大学卒業にまつわる風景でした。

ワインボトル片手に月桂冠をのせた学生をイタリアで見かけたら、ぜひ「アウグーリ!」と声をかけてみてください。祝杯のおすそ分けをもらえるかもしませんよ♪

 

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