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絶滅の危機?ノヴェッロ・ワイン il novelloのブーム変遷

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2016年、イタリアで市場最低の生産量を記録したノヴェッロ・ワイン。ノヴェッロの歴史的変遷と減産の原因、また、ノヴェッロを規定する法律の改正についてご紹介します。

ページ末には、ノヴェッロの醸造に欠かせないマセラシオン・カルボニック法 la macerazione carbonata についての詳しい記載があります。

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ノヴェッロ・ワインの誕生

日本でもよく知られるフランスの新酒ボジョレー・ヌーボーと比較されることが多いノヴェッロ・ワイン。その誕生もボジョレー・ヌーボーと関係があります

ボジョレー・ヌーボーは、フランスで1960年代に解禁日が定められてから人気が出たワインです。パリのレストランで重宝されたのを皮切りに、1970年代からは世界中で爆発的な人気を博します。これによってボジョレー地区のワイン業は大いに活性化し、地場の「ガメイ種」のブドウも再評価されました。

イタリアのノヴェッロ・ワインは、ボジョレー・ヌーボーのモデルを倣って1970年代半ばに生まれました。最初の生産は、Gaia (ガイア)と Antinori (アンティノーリ)の2つのワイナリーによるといわれています。

生産が始まると、ノヴェッロ・ワインはあっという間にイタリア中で人気となりました。

ノヴェッロ・ワインの盛衰

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イタリア国内で人気を博したノヴェッロは、 Made in Italy ブームも手伝って世界中に広まりました。

ノヴェッロのブームは90年代に火が付きます。史上1番のピークは2002年で、約1,800万本ものノヴェッロ・ワインが生産されました。

その後、ブームは徐々に下火となり生産は大幅に減りました。そして、2016年に作られたノヴェッロは、なんとたったの200万本!史上最低の生産量を記録しました。

ノヴェッロの生産が落ち込んだ理由

生産が落ち込んだのには複数の理由があると分析されています。

その結果、以前はノヴェッロに用いていたブドウを用いて、別のワインが作られるようになりました。新しいタイプの秋物ワインは、ノヴェッロの「イイトコ採り」をした特徴(長期保存可能、食前酒に適した軽い口当たり、フレッシュ)を持っています。

新生ノヴェッロのための法改正

ノヴェッロの生産減を受けて、2012年にはノヴェッロ・ワインを規定する法に変更がありました。

質のいいノヴェッロ・ワインの醸造を促したり、市場の需要を高めたりして、ノヴェッロのマーケットをテコ入れする内容となっています。以下、大きな変更点を2つ挙げます。

解禁日

11月6日から10月30日に前倒しになりました。

11月第3木曜日に解禁となるボジョレーヌーボーよりも、3週間早く販売されます。つまり、初物としての価値が上がることになります。

製法

以前はマセラシオン・カルボニック法で造ったワインが30%以上含まれている必要がありましたが、2012年からは40%以上含まれていなければなりません。

マセラシオン・カルボニック法で醸造したワインの割合が高いほどノヴェッロ・ワインの質も高くなるので、より美味しいワインが造られることになります。

ノヴェッロの製法、マセラシオン・カルボニック法

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日本語では、炭酸ガス浸潤法と呼ばれるワインの醸造法。イタリア語では macerazione carbonica (マチェラッツィオーネ・カルボーニカ)と呼ばれ、ノヴェッロ・ワイン作りに欠かせない製法です。

通常の赤ワイン造りでは、ブドウを潰して皮や種を果汁につけたまま発酵させます。そのため、苦みや渋みのもととなるタンニンや赤い色素を含む果汁が抽出されます。

マセラシオン・カルボニック法では、ブドウを潰さずに丸ごとタンクに入れます。ブドウ自体の重みで下の方のブドウは潰れ、自然発酵が進むとタンクは炭酸ガスで満たされます(醸造時間短縮のために炭酸ガスの自然発生を待たず、人工的に外部からタンク内に注入する方法もあります)。

タンクの中で酸素が少なくなると、酵素によってブドウの実がアルコールを生成します。この状態のブドウを絞って果汁を抽出し、その後は、白ワインとおなじように発酵させます。

かなりシンプルにまとめると、この製法で作られたワインは、白ワインに近い味や香りの赤ワインになります。

マセラシオン・カルボニック法で造ったワインの特徴

  • 果汁内のタンニンが少ない=渋みや苦みが少ない
  • 柔らかい口当たり
  • 低いアルコール度数
  • 甘くフルーティーな香り(バナナのような香りが特徴と表現されることも)

ただし、通常のワイン醸造法に比べてコストが高く、20%ほど割高になります。

 

生産量は減ってきたノヴェッロ・ワインですが、美味しい秋の風物詩となって、ブームのリバイバルが到来しますように!サルーテ!

このページの参照ソース

 

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