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スプリッツ( Spritz )|イタリアで愛されるカスタマイズ度が高いカクテルを作ってみよう

この記事では、スプリッツ( Spritz )というイタリアのカクテルの作り方や歴史についてシェアしたいと思います。

エライ人
これを知ると、その気がなくても、かなりのイタリア通になりますよ。

スプリッツはイタリアを代表するようなカクテルなのに、日本では意外と知られていません。

そこで、大好きなスプリッツについてのあれこれをシェアしたいと思います。

記事中には、本場イタリアのレシピも載っています。作り方はとってもかんたんな上に、自分好みの味にできるというカスタマイズの楽しさがあります。

家飲みでサラっと作れば、イタリア好きの「あの人」の目に、アモーレ(愛)が宿るかもしれません♪

この記事はアルコールの入ったカクテルの記事です。未成年者の飲酒は法律で禁止されています。

 

スプリッツとは?

スプリッツは、イタリア生まれのカクテルです。

色はイタリアの太陽を思わせるような、情熱的な朱色。ほんのり苦みのある甘さが癖になる、とても爽やかで軽い飲み物です。

いつ飲むのがいいかというと、とにかく食前がおすすめ。

イタリアには、英語圏の「ハッピーアワー」にあたるような、食前にお酒を飲む文化があります。夕飯前に一杯ひっかけることを「アペリティーボ」と呼んでいて、現地のバーやカフェでは、だいたい夕方17時くらいから安めに設定された飲み物と、無料のおつまみが供されます。

そのアペリティーボでオトナがいただく代表的なカクテルが、スプリッツ。

エライ人
アペリティーボこそ、スプリッツの真骨頂!

とは、師であるイタリアの文豪の教えです。

 

スプリッツの歴史と語源

ところで、Spritzスプリッツという音はイタリア語らしからぬ響きを持っています。

ぱんた
TとZがつながるなんて、異例のつづり!

それもそのはず、実は語源はドイツ語。イタリアのカクテルなのに、ドイツ語のネーミングいうまさかの生い立ちがあるんです。

遡ること18世紀末。イタリアのベネト地方は、オーストリアの支配化にありました。

ベネト周辺に来ていたオーストリアの外交官や兵士たちは、任務が終わって夕方になると地元のワインを楽しみます。しかし、国元のお酒に比べるとベネトのワインはアルコール度数が高いではありませんか!

そこで、当時のオーストリア人たちはワインへの冒涜を恐れず、果敢に水や炭酸水で薄めてワインを飲むというスタイルを作り上げました。

薄めるために水を入れてもらうように頼むとき、

とドイツ語で言っていたのが、Spritzの語源とされています(Spritzenは、英語のスプラッシュにあたる動詞)。

 

スプリッツのレシピ(トスカーナ版)

イタリアで「スプリッツ」と呼ばれるカクテルには、たくさんのバリエーションがあります。

そこで、ここでは本場イタリアのレシピの1として、10年くらいトスカーナ州で飲み続けたスプリッツのレシピをご紹介したいと思います。

レシピもいろいろ、名前もいろいろ。イタリア国内でも地方によって変わってくるほか、国外にもいろいろなバージョンがあります。

それでは、トスカーナで飲んでいたスプリッツのレシピです。

1杯分の材料

  1. プロセッコか辛口の白ワイン 
  2. アペロールかカンパリ(どちらもイタリアの赤いリキュール)
  3. 炭酸水
  4. スライスしたオレンジ
  5. ストロー
  6. グラス(イタリアでは、写真のようなグラスやワイングラスが定番)

作り方

  1. グラスに氷を入れる。
  2. 1~3の材料を、1:1:1の割合で注ぐ。グラスには、最後にアペロールかカンパリを入れるようにする。
  3. かき混ぜてオレンジのスライスを入れる。
  4. ストローを入れて出来上がり。

 

材料に揺れがあるのがイタリアらしさ

材料にある

「1.プロセッコ白ワイン」

「2.アペロールカンパリ」

は、どちらもカクテルの肝です。

それなのに、「~か~」とそれぞれ選べる適当さ。

実は、そこがとてもイタリア的で、自由度が高いからこそ自分好みスプリッツを注文できる(または用意できる)というわけです。

カスタマイズのために、それぞれ選択肢の違いを見ていきましょう。

アペロールかカンパリか?

カンパリの方が、

  • 苦み
  • アルコール度数
  • 色の赤み

が強くなります。

反対にアペロールを使うと、苦みがソフト、アルコールが低め、色がオレンジっぽいスプリッツになるという具合です。

ちなみに、バーテンダーの中には、クロディーノというリキュールを使う人もいます。

プロセッコかワインか?

大切なのは、どちらも辛口の白を選ぶということ。

プロセッコは発砲ワインなので、白ワインよりも全体のシュワシュワ感が強くなります。

プロセッコの代わりに、スプマンテと呼ばれる発泡ワインを使うバーテンダーもいます。

その他のバリエーション材料

そのほかにも、たくさんのバリエーションがあるので、一例をご紹介します。

  • オレンジをレモンにする
  • 炭酸水をソーダやシュウェップスにする
  • リキュール&ソーダを、ノンアルコールの赤いソーダにする

まとめ

スプリッツは、赤い夕陽のような色で、一日の終わりの団らんに花を添えてくれるはずです。

新しいカクテル飲んでみたい方も、イタリアが大好きな方も、「いつもの一杯」のレパートリーに加えてみてください。

そして、いろいろ試しながら、あなたのスプリッツにカスタマイズしてみてくださいね。

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