文化 料理

イタリアの年越しはコテキーノ cotechino とレンズマメ lenticchie

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イタリア冬の夜©ぱんたれい

年の瀬も迫ってきたので、今回はイタリアの大晦日の鉄板メニューについてご紹介します。

コテキーノ( cotechino )、ザンポーネ( zampone )、レンズマメ( lenticchie )。いずれもイタリアの年越しに欠かせないお料理ですが、私はイタリアに住むまで聞いたことも見たこともありませんでした。けれど、最近では「イタリア風伊達男スタイル」と同じくイタリア食材もかなり日本に浸透しているようで、イタリアのクリスマスでおなじみのパネトーネのように、コテキーノも出回り始めたようです。そのせいか、最近イタリア好きのご婦人方に「コテキーノってナニ?」とか、「どうやって食べるの?」などと聞かれることもしばしば。

ということで、興味を持たれている方が多いように感じたので、早速こちらでご紹介したいと思います。ただ作って食べるだけではつまらないので、その背景にある文化についても触れています。テーブルでいただく時に、ぐっと味わい深くなるはずです!

マメじゃないけど豆で年を越すイタリア人

年末になるとイタリアのお店にところ狭しと並ぶのが、コテキーノやザンポーネ。大きなソーセージの一種です。いい写真が見つからなかったので、下の動画をのっけます。再生して最初に出てくる左がザンポーネで、右がコテキーノ。

どちらも中身は同じで、豚の赤身・脂身(特に首の部分)・皮を細かく刻んで混ぜ、スパイスやハーブで風味をつけたもの。これをザンポーネは豚足に、コテキーノは腸に詰めています。そう、ザンポーネの見た目はかなりグロイです。

イタリアでは、これにレンズマメを添えたメニューが年越しの夜の鉄板。大晦日はたくさんの家庭にこのメニューが登場します(ガンベロロッソのサイトによれば、2014年の年末には6百万本以上のザンポーネとコテキーノがイタリアで消費されています)。

日本のお蕎麦と同じく縁起をかつぐお料理で、大みそかの夜12時を回る前に食べると良い新年を迎えられると言われています。

なぜイタリアの年越しメニューとして定着したのか?

新年を迎えるために夜中まで起きている大晦日。空いた小腹を満たして眠気を覚ますのに好都合なので定着した習慣ですが、なんでこのメニューなのでしょう?

「まめまめしく勤勉に過ごせる1年でありますように……」

ご想像の通り、そんな慎ましい願はかけられていません。

レンズマメを食べる理由

PDPics / Pixabay (CC0)

コインを彷彿とさせる形から、レンズマメは大昔から富や繁栄を象徴する食べ物とされていました。

旧約聖書の逸話には、双子の弟ヤコブが兄エサウにレンズマメのスープを与え、交換条件で長子の権利を手に入れるという逸話があり(創世記25章)、レンズマメは金運を引き寄せる「ラッキー・フード」の地位を築き上げています。また、古代ローマでは、新年が豊かになるよう小さな皮の袋にレンズマメを入れてプレゼントをする風習がありました。

これらすべてのラッキー伝説が融合しながら発展し、「大みそかに験をかついでレンズマメを食べる」という現代の風習が定着するようになりました。私の知り合いのように「食べた分だけお金持ちになる」という説を主張し、食いしん坊なのか欲張りなのか本当なのかよく分からない信念をもっている人もいます。

ザンポーネとコテキーノを食べる理由

理由の1つとしてよく耳にするのは、ザンポーネやコテキーノにレンズマメをつけ合わせて食べる習慣があったため、というもの。つまり、つけ合わせのレンズマメにつけ合わせられたメインのお肉料理、という説明になります。

そのほかに理由の一端を担っていると言われるのが冬ごもりの風習。昔は冬場の食料を蓄えるために12月に豚を屠畜して保存食を準備する習慣がありました。その中でザンポーネやコテキーノはハムなどに比べて早くできあがるため、イタリア北東部ではクリスマスの食卓によく上がったようです。この風習が国内の人の移動とマスメディアの発達とともにイタリア中に広がりました。

ちなみに……

レンズマメは鉄分やたんぱく質が豊富なので、ビーガンやベジタリアンのハンバーガーにも使われています。栄養たっぷりなので、うまく活用すると育ち盛りの子供にも嬉しい食材です。私の娘は、サラダやスープにすると喜んで食べます。

コテキーノとレンズマメのレシピ

というわけで、やっと作り方でーす!

日本ではザンポーネよりもコテキーノの方が手に入りやすいので、調理済みコテキーノとレンズマメを使ったレシピをご紹介します。地方によって色々とバリエーションがあると思いますが、こちらはトスカーナ州出身のイタリア人に聞いたレシピです。

材料

  • 調理済みの市販の コテキーノ  500g(生のコテキーノを使う場合は、2時間ほど火にかける必要があります。)
  • レンズマメ  300g
  • 玉ねぎ 1コ
  • エシャロット 1コ(なければ玉ねぎを1/2~1コ追加)
  • セロリの茎 2本
  • にんじん 1/2本(日本のサイズ。ヨーロッパのなら1本)
  • エクストラバージン・オリーブオイル 大さじ4~5
  • ローリエ 2~3枚
  • ローズマリー 適宜(フレッシュなら小枝を1~2本ほどを目安に)
  • コンソメ 500~800cc
  • コショウ

作り方

  1. 鍋にオリーブオイルを入れて温め、みじん切りにした野菜(ニンジン、セロリ、玉ねぎ、エシャロット)を入れて炒める
  2. 玉ねぎが透き通ってきたら、コンソメスープとローリエを入れて沸騰させ、弱火で20分ほど煮込む。
  3. 別の鍋に水を沸騰させ、コテキーノを中袋ごと入れる。弱火で20~30分ほど温める。メーカによって時間が変わるのでパッケージの表示を確かめること。温め過ぎは厳禁!
  4. 20分したら塩コショウをして、さらに20分ほど煮込み、レンズマメの硬さを味見。柔らかくなったら火を止める。
  5. 温まったコテキーノを取り出して皮を取り、1センチくらいにスライスする。
  6. お皿にレンズマメを敷いて、スライスしたコテキーノを載せて出来上がり。ボナペティート!

火を通したコテキーノは、密閉容器に入れて冷蔵庫で2日ほど保存できます。

コテキーノとレンズマメに合うワイン

重い料理の味に負けないしっかりした味わいのワイン、口をさっぱりとさせてくれるワインが理想的です。コテキーノやザンポーネはエミーリア地方の名産なので、その地域のワインを合わせるのが王道です。

コテキーノと言えばの定番ワイン

コテキーノやザンポーネに合わせるお約束の発泡赤ワイン、ランブルスコ( Lambrusco )。いろいろな種類がありますが、Lambrusco Grasparossa di Caastelvetro の辛口がおススメ。ランブルスコの中でもしっかりとした濃厚な味わいが重めのお料理にも合い、ラズベリー、ほのかなカンゾウの甘い香りで花を添えてくれます。

その他のおすすめワイン

  • 発泡赤ワインのボナルダ( Bonarda frizzanti )
  • スティルタイプの赤、サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ・スーペリオーレ( Sangiovese di Romagna Superiore )

などなど。

 

イタリア式にコテキーノやザンポーネやレンズマメの大晦日メニューを食べたら、厄年もなんのその、いつもに増してステキな新年が明けそうです。みなさん、どうぞよい年末年始をお迎えくださいね。Live long and prosper!

 

 

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