ヨーロッパの食卓 文化

アスコリのオリーブ料理 Le olive all’ascolana

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先日の地震では、ラッツィオ、アブルッツォ、マルケの3つの州境にある Alta Valle del Tronto という地域も大きな被害を受けました。多くの人の尊い命と有形文化財が地震によって奪われてしまいましたが、その土地の人々が代々伝えてきた無形文化は失われることなく息づいています。

イタリア各地が育んできた豊かな文化に敬意を表して、このページでは Alta Valle del Tronto 発祥の料理「 le olive all’ascolana (アスコリ風オリーブ)」を紹介します。

プッチーニを虜にしたオリーブ料理

アスコリ風オリーブは、世界各地で愛されている有名な料理です。マルケ州の都市アスコリ・ピチェーノが発祥とされ、州を代表する名物料理の1つです。音楽家のジャコモ・プッチーニや、イタリア統一の英雄ジュゼッペ・ガリバルディなど、イタリアの各界著名人にもこの料理の大ファンが多くいました。

レシピは古く、18世紀末ごろに生まれたとされています。

材料に欠かせないとされるのが、「le olive tenere ascolane」と呼ばれるオリーブ。アスコリ産の「アスコラーナ・テーネラ」という種類のオリーブを実が熟すまえに収穫し、野生のフェンネルシードやハーブで香りづけした塩水につけたものです。

このオリーブに、肉、チーズ、野菜などをその中に詰めて揚げたものが、アスコリ風オリーブという料理。手間がかかるため、お祝いの席などに並ぶごちそうです。

現代のイタリアのレストランでは「il fritto misto all’ascolano(アスコリのフライ盛り合わせ)」などの名前で、肉や野菜の揚げ物と一緒に前菜として供されることも少なくありません。

オリーヴェ・アスコラーネの作り方

元祖レシピのオリーブ「アスコラーナ・テーネラ」をイタリア国外で探すのは難しいので、緑色の実が大きいオリーブで作りましょう。

手間はかかりますが、とにかく美味しいです!

ワインのおつまみにもよく合います。

材料(50個分)

• グリーン・オリーブ 500g
*実が大きめで、瓶詰めなどの加工されているもの。種なしだと手間が省けて楽。

【スタッフィング】
• エクストラバージン・オリーブオイル 適宜
• たまねぎ 1/4~1/2コ
• ニンジン 1/4~1/2本
• セロリ(茎のみ) 1/4~1/2本
• 鶏肉 50g
• 豚肉 50g
• 牛肉 50g
• 塩 適宜
• 白ワイン 100~125cc
• ナツメグ 適宜
• クローブの粉末 ごく少量(楊枝の先にのせる程度)
• パン(みみなし) 15g
• 卵(M) 半分
• パルミジャーノ・レッジャーノ(グラーナ・パダーノでも代用可) 40~50g
• レモンの皮のすりおろし レモン1/4コ分

【フライ】
• 卵 1コ
• 小麦粉、パン粉 適宜
• エクストラバージン・オリーブオイル 250cc位を目安に調節

作り方

  1. フライパンにオリーブオイルを熱して、みじん切りにした玉ねぎ、にんじん、セロリを炒める。小さな角切りにした3種類の肉を加えて、さらに炒める。
  2. 肉に焼き色がついたら、塩と白ワインをフライパンに加える。弱火でワインの水分を飛ばす。
  3. フライパンを火からおろし、野菜と肉が冷めたらハンドミキサーにかけてペースト状にする。ペースト状になったら、クローブ、ナツメグ、レモンの皮を加える。
  4. 溶き卵、細かくおろしたパン、パルミジャーノ・レッジャーノをペーストに加えて混ぜる。よく混ざったら、30分~1時間ほど冷蔵庫で休ませる。
  5. オリーブに種が入っている場合は、ペティナイフなどで螺旋を描くように切り込みをいれて種を外す。
  6. オリーブにペーストを詰めていく。ペーストは過熱すると膨らむので、若干少なめの量を入れる。ナイフでオリーブの種を取った場合は、ペーストを詰め終わった後に形をよく整える。
  7. 小麦粉、溶き卵、パン粉の順で、オリーブにフライの衣をつける。2回この作業を繰り返す。小麦粉やパン粉を付けるときは、それぞれビニール袋を使うと作業が早く進む。
  8. オリーブオイルを熱し、オリーブを揚げる。衣がきつね色に揚がったらオリーブを取り出し、キッチンペーパーの上などで余分な油をよくきる。
  9. できあがり。アツアツを召し上がれ!Buon appetito!

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